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明日からの官庁訪問について

 みなさんこんにちは。前回のブログで「ブログ再開します!」といっておきながら、また放置してしまいごめんなさい。昨夏の義父逝去に伴う相続手続きの都合上(4月にようやくすべて終わりました…)、新規受講生の受け入れを制限してきたため、ウチは春試験受験者が1名しかおらず(しかも昨秋の教養区分合格者なので、何も筆記対策をしていません)、この間、教養区分合格者および再チャレンジ組相手にひたすら官庁訪問に向けた指導のみをしておりました。ただし、協力関係にあるアガルートアカデミーの学生さん向けに模擬面接等を行っていましたので、春試験受験者の様子についてはそれなりに把握しているつもりです。


 先日、春試験の最終合格発表がありました。今は、明日からの官庁訪問のことを考えるのが最優先事項なので、現実に起こっていることについて細かいことは言いません。ただ、昨夏のブログで私が完全ダメ出しをし、危惧していたこと以上の現実が眼前に広がりつつあることをご理解いただけたのでしたら、それで十分です。


 春試験合格のハードルが大きく下がるにつれて、官庁訪問再挑戦を安易に志向する人が多くなっているように感じられます(全国的には確かなことは言えませんが、少なくとも私が対処する受験生に占める割合は2020年以降急増しています)。もちろん、再挑戦という行為そのものを否定する気は全くありませんが、コロナ禍であっても大卒の内定率が高い水準ですっと推移していたことからすると、この状況はいささか奇妙です。しかも、私が対峙してきた受験生に限って言えば、再挑戦組の圧倒的多数は院卒区分です。


 時代は違えど、私も大学院博士課程修了者ですので、彼らの行動は痛いほど理解できるし、この原因を突き詰めていくと、教育問題に行き着いてしまい、それは今回のブログで私が主張したいことではないので、この辺でやめときます。ただ、昨年のブログでも言及しましたが、合格者の権利延長は絶対やめるべきです。合格権利の延長は若年層の滞留をもたらします。再チャレンジまでは良いとして、3度4度と若者が官庁訪問を繰り返す姿は国全体としてみれば、どう考えても健全とは思えません。20代後半になっても社会に出たことがない人間が、専門的業務ならいざ知らず、国家公務員総合職として就職というのは無理があります。院生のあり方と総合職のあり方は分けて考えるべきです。


 とはいえ、明日からの官庁訪問に再挑戦する院生も数多くいますので、それ人たちに向けて少しでも参考になることを書きます。皆さん、まずは今回で決めることができるよう全力を尽くしてください。皆さんの多くは、自分の学んできたことから、それが業務に活かせそう、という観点から志望動機を書いていますが、技術系ならいざ知らず、事務系では、そんなの誰も納得しません。「そもそも、数多ある選択肢の中から、なんで国家公務員なのか?」「あなたはどんな社会を目指してるのか?それを志望する職場でどう実現するつもりなのか?」等を、知識ではなく自分のこれまでの経験を振り返ることから探し出してください。


「なに、当たり前のことをいってるんだ?」とお思いでしょうけれど、こういう振り返りをしたことがない、あるいは出来ない人がとても多いのが現実です。だから、前年に就活がうまくいかなかった原因もわからず独りよがりのものになり、結果、○○省の業務にもっと詳しくなれば熱意が伝わると勘違いしてしまい、やたらと白書等を読みふけるようになってしまうのです。


去年の受講生が、官庁訪問体験記にこんなことを書いていました。

「官庁訪問は恋愛と似ている。お互いをよく知ろうとする努力をしないとダメ」

一方的な思い込みではうまくいかないどころか、何年も当該省庁に執着することになってしまいます。官庁訪問は知識の優劣ではなく、マッチングの場であることを忘れずに。

それでは、また。

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