教養区分受験のススメ
- cimaacademyweb

- 9月15日
- 読了時間: 6分
みなさん、こんにちは。月日の経つのは早いもので、前回のブログ更新から約1年もの間、放置してしまいました。ごめんなさい。もちろん、この間もCIMAアカデミーはちゃんと活動しており、今年の官庁訪問の結果についてはHPに記載してあります。長引く公務員不人気の影響は受けていますが、その結果を見て申し込まれた受講生もちゃんといます。
今回のタイトルですが、「教養区分の申込期間は既に終了しているのに何なんだ?」と思われるのも無理はありません。今回の対象は、「最近、国家公務員総合職に関心が出てきたんだけど、教養区分の申込期間は既に終了していてどうしよう…」と途方に暮れている人です(受講生には、毎年のように総合論文添削で思いっきりダメ出しをしてメンタル崩壊手前まで追い込んでいるところなので、ブログで更なる煽りをする必要もないかと思います)。
既に人事院より公表されているのでご存じの方も多いかと思いますが、来年2026年度より、教養区分試験は春と秋の年2度実施されます。しかも、試験勉強の負担も従来の教養区分試験に比べ軽減されています。(詳細については、下記URLをご覧ください)。
もちろん、春に関しては法律区分や経済区分等の従来の試験も存続します(春の教養区分試験との併願はできません)。なので、法学部や経済学部等の学生は従来の試験を受験すればよいと思われるのでしょうが、一応、四半世紀にわたり予備校講師をやっている立場の人間から言わせてもらえれば、昨今の学生気質を考慮すると教養区分試験を受験すべきと断言します。
確かに、法律や経済等の専門科目を大学でしっかり学んできた人はその知識を活かせる試験区分を受験した方が合格までを考えたとき、非常に負担が軽く済みます(経済区分のことしか私は断言できませんが、試験問題自体は昔と比べてもほとんど難易度に変化はないものの、受験者層の変化により、合格水準が大幅に低下しています)。しかし、現在の総合職試験は、皆さんが想像している以上に人物重視が顕著で、そのための準備は最終合格後からでは到底間に合いません。一方で、教養区分試験には政策課題討議、企画提案試験が2次試験に課されており、その配点比重の高さに加え、官庁訪問対策にも資することから、教養区分合格者からの採用が年々増加しています。
以上より、私は内定までを見据えるのならば、春試験においては教養区分で受験したほうがよいと、受講相談でもアドバイスしています(なお、これらは事務系の話であり、技術系には当てはまりません)。
と、ここまで来年春以降の話について書いてきましたが、来月実施の教養区分受験者向けにも少しは話をしましょう。私は予備校講師の傍ら、非常勤ではありますが都内マンモス私大の経済学部教員でもあり、特に公務員志望者に向けた講義を担当しています。実は、今回の試験にも一定数の学生が受験の予定です。もちろん、全員本命は別の公務員であり、教養区分は云わば、無料模試代わりです。緊張している方は、周りを見渡してみてください。無料模試のノリで会場に来ている人が多くいますから。もしかしたら、受験が面倒になって、欠席しているかもしれません(教養区分の欠席率は途中で消えちゃう人も含め、呆れるくらいに高いです…)。なので、気負わず試験に臨んでください。悲壮感を払しょくできれば良い結果が残せると思います。
なお、試験に関して言っておきますと、現在、ほとんどの受験生は数的処理や知識系科目など択一試験対策に勤しんでいると思いますが、最終合格のためには試験の最初に実施される総合論文のほうがはるかに重要です。試験時間が4時間あって(論文2問解答します)、しかも午前中から昼ごはん抜きでぶっ続けなのですから集中力を保つ必要があります(昼ごはんはその後になります…)。とはいえ、1次試験の合否は択一試験だけで決定されるので、どれだけ忠告しても耳を傾けてくれる人は少数だと思います。でも、試験も近いのですから、すきっ腹で4時間耐えつつ論文を書くイメージトレーニングくらいはしておくべきですよ。
その論文についてですが、今月だけですでに100通弱の答案添削をした限りでいえば、コミュニケーションの欠如に起因するかのような論文がコロナ禍以降急増しています。具体的には、①設問を受けて論文を書きだすのではなく、これから使用するであろう用語の定義や前提を延々と書きはじめる、②「~だ。」というように、やたら断定調で記述する(その自信はどこからやって来るのか不思議です)、③資料間の関連性など一切考えず、ただ3つの資料の要約のみ書いて終わり…という答案が多数を占め、非常に目立ちます。
だからといって、いろんな予備校さんの教材にある解答例をまねる必要は全くありません(むしろ、マネしない方がいいです。私も自分の考えとの相違なんか論文の評価には一切含めていません)。設問をテーマに、活字を媒介に採点者との対話をするつもりで試験に臨んでください。一次試験を通過すると、皆さんは2次試験で企画提案試験という、現職官僚に向けたプレゼンテーションシート作成&プレゼンが待ち受けています。総合論文の出来が良いか悪いかは、実は企画提案試験のプレゼンテーションシートを見ればわかってしまいます。ゆえに、午前中は、姿の見えない相手に活字のみでの対話を行うという意識で総合論文に臨んでみてください。姿の見えない相手を意識するだけで、論文の出来がかなり異なりますよ!
そして、自己採点して一次試験通過の目途が立ったら、即座に2次対策を始めたほうがいいですよ。基礎能力ⅠⅡで配点比重が異なるので絶対とはいえませんが、現在では合計で31~32点で十分に1次試験通過できます。ちなみに、1次で40点以上取る人が周りにいても気にする必要ありません。春試験と異なり、教養区分は択一で逃げ切ることは極めて困難ですので…。配点は圧倒的に2次重視なので、もしあなたが人当たりがよく、コミュニケーション能力に長けているのでしたら余裕で逆転できますし、採用とは無関係ですが一桁順位での合格も十分可能です(逆に択一で40点台後半でも、最終合格順位は下から数えた方がかなり早いというケースも普通に起こります)。
教養区分2次試験は、政策課題討議試験、企画提案試験、人物試験から構成されますが、いずれも一人で対策を立てることは困難です。多少費用は掛かりますが、CIMAアカデミーでは教養区分2次試験対策講座を実施しますので、本試験翌日に自己採点した結果、1次試験通過のめどが立った人は是非ご検討ください(1次合格後だと、その分試験対策の時間が削られてしまいます)。
それでは、健闘を祈ります。

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