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卒業がかかっている皆様へ:就活を免罪符のように持ち出す行為は逆効果です!


 みなさん、こんにちは。お盆休みを満喫していますか?私はというと、昨日やっと大学の定期テスト計5科目300名分の採点が終了し、16日が最終締め切りである単位認定も何とか全員分終えることができました。いつもは、キャリア官僚を目指す学生向けに書いているこのブログですが、読者の中には無事内々定を獲得した4年生(以上)もいれば、再起を期す卒業年次の学生もいるかと思います。今日は、そんな方向けに書きますが、いま3年生の方も、来年の自分たちに関係することと思って記憶に留めてもらえるとよいでしょう。

 「大学の先生って、小中学校の先生に比べて授業がはるかに少ないし、休みが多いから暇だ」と思ったことありませんか?実は、最近まで私もそのように思ってました。しかし、大学で教鞭をとるようになって6年目で、毎週5~6コマと専任教員よりやや少なめのコマ数を担当している現在、講義以外の業務(学生との個別面談、オープンキャンパス、各種の会議)に多くの時間を費やすのが大学教員の平均的な姿(旧帝大系大学は違うのでしょうが、少なくとも私の目に映る教員像は、研究活動に勤しむ姿とは全くかけ離れています)だと気づかされるようになりました。

 総合職を目指す方の大多数は、いわゆる研究重視の大学に所属している学生さんでしょうから、ゼミ以外における教員との接点は皆無に近い人がほとんどだと思いますが、全国的には、講義以外における学生と教員の接点がかなり確保されている大学の方が多いです。例えば、私も教鞭をとっている女子大では、専任教員が個別面談を実施していますし、出席状況が芳しくない学生に対しては早期のうちに連絡をとったりしています(私も、専任の先生から学生の出席状況について報告を求められたことが何度となくあります)。

 つぶさに観察してみると、今の大学は、私が学生だった頃とは全く異なり、想像以上に日常的に学生との接点を持つよう意識していることに気づかされます(もちろん、学生がどう受け止めているのかはわかりませんが…)。それゆえなのかどうかは定かではありませんが、定期テストが近づくと、単位取得が気になる学生からテストの範囲など様々な情報提供を求められます(シラバスに全て記載しているにもかかわらず…)。もっとも、私は定期試験で落とすつもりはないので、「電卓、スマホ以外は何を持参してもよい」「講義レジュメで扱った内容からしか出題しない!」と常に言っているのですが、毎年、内々定先が決まった学生から「なんでも致しますので、なにか救済策を授けてはいただけませんでしょうか」というメールが届きます。

 こうしたメールでの申し出に対して、私は今に至るまで一切返信していないだけでなく、今年メールで特別措置を求めてきた学生に関しては、先日のテストの結果を踏まえ、問答無用でE(要するに不可ですが、Dでないので再試験の機会すらありません)にしました。

 理由は、極めて単純で、テストの点数が悪すぎる上、ただの一度も出席していないため何の加点要素もないからです。非常勤先の学生でこのブログを読んでいる人はおそらく誰ひとりいないと思いますが、私は出席に関係なく誰でもテストを受験する権利を与えています(女子大の場合は、学校としてのルールがあるため遵守していますが…)。さらに、先ほど述べたように「電卓、スマホ以外は何を持参してもよい」「講義レジュメで扱った内容からしか出題しない!」と明記していますので、単位が欲しければ何をすべきか自ずと明らかなはずです。にもかかわらず、あたかも就活を免罪符のように持ち出し、一度も出席したことのない科目の教員に対して手心を加えるよう求めてくる行為が私には理解不能です。

 今回のブログを書いた主旨は、なにも一部の学生の愚かな行為を晒すためではありません(確かにかなり腹立ちましたが…)。これから教養区分を受験する予定の3年生に同様の問題が発生する可能性が高いからです。教養区分1次試験に合格すると、11月半ば(今年は13日(火)~21日(水)の連続する2日間)に2次試験がありますが、例年、この時期に東京大学法学部・経済学部をはじめ4学期制を採用している大学の多くでは定期試験があり、人生の一大岐路(?大げさかな?)に直面する学生を何人も見ます。

 大学側に事情を話して上手く話がまとまればよいのですが、聞き入れてもらえない人もかなり出てくると思います(あくまで去年までの学生の様子を見た限りですが…)。その場合、2次試験受験により数科目の単位取得を犠牲にすることになりますが、春試験と異なり、教養区分の場合、東大や京大といった主要大学の学生であっても普通に2次落ちしますので、選択が報われない可能性もあります(まあ、総合職試験については諦めず春試験に向けて頑張ればちゃんと結果はついてきますが…)。そして、このことが後々、4年生には大きくのしかかってきます。

 実は今年もですが、うちには官庁訪問で内々定は得られたものの、教養区分から春試験、さらには官庁訪問と、試験勉強に時間を費やしてきたが故に、現在、卒業に必要な単位取得に苦労している学生がいます。当該学生には、「内々定獲得を理由に単位取得を願い出る行為だけはやめたほうがいい。決していじわるではなく、公正に評価しようとしている人間からすれば、不正に手を染めるよう強要されたと見做されても言い訳できない(少なくとも、私はそう受け止めています)。それよりは、初回講義後に、勉強法を聞いた上で、毎回の講義後に不明な点を質問したほうがいい。間違っても、私が毎年直面するような、テスト直前に同情心に訴え出るような行為はしちゃダメ」とくぎを刺しました。

 ちなみに、内々定者の方は全員言われていると思いますが、就職する上で卒業は必須です。私、前職時代に、卒業できず4月以降働きながら講義に出て、9月卒業した受講生が一人だけいますが、そんな超レアケースには間違っても期待せず、まだ卒業要件を満たしていない方は、ちゃんと講義に出てください。

 それでは、今日はこの辺で。よい休日をお過ごしください。


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