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みなさんに考えてほしいこと

更新日:2020年3月29日

 みなさん、こんにちは。またまたブログ更新が滞ってしまいました。新型コロナに伴う経済活動の自粛は、飲食・観光業だけではなく、弊社のような公務員試験予備校にも影響が生じており、毎回の講義に出てくる学生は1~2名の状況がずっと続いています。もちろん、今年に関しては、WEBで受講したり、定期的にLINE電話やskypeで模擬面接を行ったりする受講生が多数を占めているからなのですが、次年度に向けて学生を積極的に呼び込むようなイベントは控えてるのが現状です。他社さんのことはわかりませんが、CIMAアカデミーに関して言えば、幸い比較的大きな仕事を受注していることもあり(締め切りが迫っておりキツイですが…)、「今すぐ日本公庫に融資申請に行かないと!」という事態ではありませんが、今後のことを考えると不安がないわけではありません。


 このブログの読者は、総合職志望者の方が大多数を占め、残りは何らかの形で私と接点のある現職の方しかいないと思うので、私がここで何を書いたところで反社会的な内容でない限り全く影響力はありません。しかし、正しい情報が無視され、自分自身が受け入れやすい情報のみ真実であるかのように広まっていく現状において、公務員試験のそれも総合職という非常に小さな範囲ではありますが、それなりに貢献をしてきた組織の代表として、迷惑の及ばない範囲で正しい情報を伝えていく責任があると思っています。


 受験生の皆さんは、新型コロナが依然収束の兆しを見せていないことから、試験がちゃんと実施されるのか不安で、勉強が手につかないのかもしれませんが、運営面は別として、予備校としては、数年来続く官僚バッシングの方が何倍も深刻です。確かに、新型コロナによる外出・経済活動の自粛や先行きの不透明さも手伝い、来年向けの受講相談は全く来ません。一方で、試験が厳しくなることを見越してか、あるいは民間就活の不透明感が増しているせいなのか、経済事情・財政学といった直前に一気に仕上げることができるコストパフォーマンスの高い科目の申し込みが昨年の倍以上のペースとなっており、トータルで3月だけですと前年同期比+15%以上の伸びになっています。


 うちは総合職(それも経済区分と教養区分のみ)だけなので、年間を通じてですと、天下りあっせん、森友、賃金統計不正、桜、そしてまた森友…による負の影響のほうがはるかに大きいので前年比マイナスになりますが、公務員試験全体としては、新型コロナは受験者を増やすという点では追い風になっているように思われます。だからといって、公務員人気復活!と考えるのは早計だと思います。


 昔と異なり、今や予備校でも省庁説明会は当たり前のように開催され、そこで参加者アンケートをとると、どれだけ不祥事が話題になっていようが関係なく、「志望度が高まりました!」といった好意的な意見ばかりとなりますが、そもそも「公務員を目指す!」という固い意志を持った集団がいるのが予備校なのですから、結果には何の不思議もありません。むしろ、「官民全く無差別状態の人材」を取り込むことができないだけでなく、訴求効果もないことにもっと危機感を持ちべきだと思います(前職時代は、こういう層も予備校に一定数在籍していました。まあ、予備校はお金かかりますので、今はこういった層を取り込むのはかなり困難ですね)。つまり、コアなファンからどれだけ支持されても、それだけでは未来は暗いということです。


 「予備校ごときがずいぶんと無礼なこと書いてるな」と思う人もいるかと思いますが、このくらいキツク書かないと、私だけでなく採用側の首を絞める事態が早晩訪れることに真剣に向き合おうとしないからです(すでに兆候は至る所で表れています…)。以前より、私は、元受講生(前職も含め)における離職者が急増していることについてブログで幾度となく書いてきました。もちろん、転職に対して、私は積極論者ですが(自分自身、辞めて起業するだけでなく、大学教員も兼ねているのですから当然ですね)、ここ1~2年、入省から離職(を志向し始める)までの期間が短くなっていることに対して危惧しています。


 CIMAアカデミーは本来、総合職(経済区分、教養区分)を目指す学生の予備校ですが、転職者がぽつぽつと挨拶に訪れる段階を通り越し、今では休職はまだしも、転職を決断した官僚が次のステージへ歩みだすための野戦病院と化しています。どの省庁も新人採用には一生懸命ですが、外部の人間の目には、入省後の扱いがぞんざいになっているのではないか?という気がします。私は前職では管理職の立場にあり、経済学の講師を一手に束ねていましたが、待遇面での制約が厳しい中、採用した講師が容易に辞めないようにすることに腐心してきました。莫大な労力を費やして採用した人材が職場に幻滅していなくなってしまうことほど悲しいものはないと思うのですが…。


 長年外から眺めていることもあり、おおよその原因もわかります。公務員の働き方に関して決断できる立場にある人間がその責務を果たそうとしないのでしょう。いまあちこちで見られる自粛要請なんか、そうした無責任の極みだと思います。イベントを中止するにせよ、実施するにせよ、現場の責任者はぎりぎりまで判断に苦慮しているはずです(規模が小さいので、私は今のところ通常通り講義を実施していますが、①距離を置く、②出てこなくても不利益を被らないようフォロー体制を用意する、③万一の事態に備えての代替案を用意しておく…このくらいのことは当然行っています)。最終判断を現場の責任者に委ねておきながら、世論が中止に傾いていたら、中止の要請をし、自分は仕事しましたというポーズをメディアを通じて吹聴する…。本当に中止してほしければ、金銭補償と引き換えに禁止措置を取ればいいのに、そういう行動はとらない…ひどい話です。


 おそらく今年及び来年あたりは公務員試験受験者は増加することでしょう。でも、すでに書いたように、それは人気回復を意味してはいません。このまま疲弊する若年職員の増加を放置していれば、優秀な若者で総合職を志望するのは本当にいなくなってしまいます。それを「今どきの若者は…」で片付けようとする人、うちの学生だけで語ることにさほどの意味はないかもしれませんが、今年の学生の半数近くが厚労省志望で、経済区分をメインとする弊社では過去に例のない事態となっていることの意味をもっと真剣に考えていただきたいと思います(厚労省を志望することがだめだと言っているのではないので、誤解しないように!)。


 1月に久米隼人・課長補佐の講演会を実施した影響があるのかもしれませんが、でもそこでは厚労省の話は全く出てこないどころか「公に貢献する場は霞が関でなくても十分ある」という話をしているくらいです。いずれにせよ、巷では、民間企業に比しての待遇の悪さに目が行きがちですが、当の学生たちは、お金よりも、自らが持っている利他心を十分に発揮できる場であるかどうかなのかを職業選択において最も重きを置いているのかもしれません。だとすれば、そうした思いを抱いて入省していく学生の心を僅か1~2年でズタズタにすることは是非やめてもらいたいと思います。たとえは悪いですが、大事にしていた「おもちゃ」を友達に貸したらボロボロになって返され、それも年を追うごとにその頻度は多くなる…。これで、気分を害さない子供はいません。


 そして、学生もサイコパスのように「自分にはここがふさわしい」などと聞く耳持たない姿勢はとっとと捨てて、どんなところの話であっても最低一つは「話を聞いてよかった!」と思えるように心がけてください。

 それではまた。


 

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