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早期の試験対策よりも、時間はかかるけど基本書読破を!


 みなさん、こんにちは。以前のブログにも紹介したように、CIMAアカデミーでは、ずーっと択一対策の小テストを実施しています。こちらが想定している成果がなかなか表れないので小言が増えがちになっていますが、受講生には諦めずに試験勉強を継続してほしいと思います。今日は、どちらかといえば、教養区分あるいは来年以降の春試験を目指している方向けの内容です。

 先日より、非常勤先の大学の講義が順次開講しました。うちのHPにも記載してある通り、5年程前より、私は都内2つの私立大学で週5~6コマ経済系科目の講義を担当しています。一方の大学は一般教養科目ですし、学生の圧倒的多数も経済学とは遠くかけ離れた学部の所属ですから、経済学の面白さを伝えることを第一の目標として講義をしています。もう一方は、経済学部生相手に、公務員試験を意識した経済理論の講義を中心に行っています(例年、他学部の学生も潜り込んできますが、講義の邪魔にならない限りは黙認しています)。

 前者の大学ではほとんど目にする機会はありませんが、後者の大学では、毎学期の開講時期になると、人数自体は少ないですが、何冊もの参考書、それも予備校のテキストやお手軽系の経済入門書を机の上に出して講義に臨む学生がいます。受験直前ならばともかく、「2,3年生春や秋の開講時点で何故?」という疑問を昔から持っていたのですが、「1,2年次のミクロ、マクロについていけなかったから、コンパクトにまとまった教材を手に心機一転、この講義に臨んでるのかな?」と勝手に思い込んでいました(実は、全く正反対の理由でした…)。

 初回講義後、ある学生が、自分は今2年生だけど、将来官僚になりたいから4年生になったら総合職経済区分を受験しようと思っているので、試験科目を含めた勉強方法を教えてほしい、と相談されました。東大でも法学部はまだしも、経済学部生で官僚志望者を探すのに苦労する御時世ですから(CIMAアカデミーでも、東大生は半数強占めているものの、最大派閥は工学部です)、嬉しくなって次の授業が始まる直前まで相談に乗りました。

 これまでの勉強の取り組み具合について訊いたところ、何冊もの書籍を持ってきて、これらを順番に読んでいると言いました。みると、すべてが「○○○○経済学ミクロ編」など、お手軽系の経済入門書ばかりです。さすがに、これはこの学生の今後に支障が生じかねないと思い、少し辛口の助言をしました。

「私も本業が予備校の人間だから、自己否定になることは言いたくない。だけど、あまりにも早期から頼りすぎるのも問題だ。まず、過去問集については、もっとも試験の情報が集約されたものだから、早期に目を通しておくことはむしろ望ましい。しかし、インプットは話が別。もし、君が他学部生あるいは受験まで時間があとわずかというのならば、今手にしている本は助けになる。だけど、君は経済学部2年生になったばかりで、しかも官僚志望と言っている。大学生は、お金はともかく時間はたくさんあるのだから、いまはミクロ、マクロ経済学の体系をしっかり学びましょう。そのためにも、導入は平易で、それでいて、社会人になってからも十分使用に耐えうる基本書を今から少しずつ読んでください。お手軽本をこれ以上買うのを止めれば、費用も捻出できるでしょ?あと、試験勉強のためにサークル活動を辞めるなんてしないこと!」

 どれだけ納得してもらえたのかはわかりませんが、おススメの本紹介してくださいと言われたので、ミクロ経済学、マクロ経済学それぞれ1冊ずつ紹介しました。

・神取道宏著『ミクロ経済学の力』(日本評論社)

・齊藤、岩本、太田、柴田著『マクロ経済学 新版』(有斐閣)

(いずれも敬称略)

 いずれも読破するには、それなりの根気と学習量を要しますが、時間のあるうちは、やはりどの学部の人も、それぞれの分野における基本書をちゃんと読んでおくべきだと思います。

 それでは、また。


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