みなさん、こんにちは。今年の総合職試験の出願期間は終了しました。このブログを読んでいる受験生は全員手続きが完了したことと思います。本試験まであと3週間を切りましたので、これまでの努力の程度にかかわらず、現役大学生(院生)はとにかく試験勉強に時間を費やしてください。それしか、焦りを緩和させる方法はありませんので…。
3月末から今週にかけて、皆さんの1つ上の代にあたる新入省者からの挨拶が届く一方、退職の報告もありました。CIMAアカデミーおよび前職で17~8年もの間、国家公務員総合職(旧国家Ⅰ種)のゼミを担当していますので、それなりに教え子はいます。で、ここ3年前くらいから、毎年退職の報告が直接あるいは人づてに届くようになりました。もちろん、それ以前からも退職者はいましたが、毎年続けざまに複数名ということはなかったように思います。
一番上は入省10数年目職員になりますので毎年誰かが辞めても何の不思議もないのですが、創設して6年しか経っていないCIMA時代の元受講生からも退職者が複数名出ている状況をきくと、何とも言えない気分になるのは疑いようのない事実です。といっても、定年まで在籍を前提に就活することに対して私は昔から批判的ですので(私自身、転職してるので当然ですね…)、転職すること自体については、それが自分の主体的行動である限り好意的に評価しています。
終身雇用制度がなくなりつつある時代に、公務員なら安定だと言って、就職指導していく姿勢は違和感しか覚えません。しかし、いくら短期間でいろんなことを経験させる総合職といえども、入省後3~4年で離職するのはもったいないように思いますし、それをただ指をくわえてみている姿勢は「あんだけ採用に手間暇かけてるのに、コスト意識ないのか?」と呆れもします(もちろん、引き留めはしているのでしょうけれど…)。とはいえ、我が国の就職後3年以内離職率は、ここ20年以上30%台で推移しているので、官僚だけ短期間での離職を特別視するのはおかしいと思いますが…。
先週、一足先に官庁訪問の権利を獲得した受講生の模擬面接も行いましたが(教養区分等で既に最終合格している人、官庁訪問まで何もしないはダメですよ!)、ご多分に漏れず、利他心と根気強さ、さらにはそれを担保するだけの諸経験を前面に押し出してきます。「ほんとに説明会行ってるのか?ただ話聞いて、業務だけ知っても意味ないよ。もっと、自分のことを初対面の人間相手に話せないとダメだ。運よく入省できたとしても、これじゃ、間違いなく仕事は続かないよ。」
文字情報だけだと、意図が上手く伝わってきませんが、本人には小一時間向き合って話をしているので、まあわかってもらえたものと思います。現役生で、民間就活をそれなりに経験してきている人は、この手の話をいろいろ聞かされているし、若い分、吸収力も高いので、おそらく問題ないでしょう。ただ、小テストの進捗状況を見る限り、このままじゃ舞台(官庁訪問)に立てません。なので、何度も言っているように、試験勉強を最優先にしてください。
「そんなこと、お前に言われなくてもわかってるよ!」と思いながらも、一方で本試験まで残り3週間弱ということで焦っている人も多いかと思います。そうした焦りを感じている方に、私はいつも次のようにアドバイスしています。経済区分の場合、これから本試験までの間は、理論系科目:暗記科目=1:4くらいの割合にしたほうがよいでしょう。というのも、専門科目40問に関して、選択科目によっても異なりますが、理論系科目:暗記科目≒1:1の割合で出題され(信じられない方は、一度調べてみましょう)、皆さんの想像以上に、経済区分において暗記系科目の比重は高いからです。
理論系科目は一度知識が定着すれば、脳や手が勝手に覚えていますので、問題集だけこなしていればよいでしょう。一方で暗記系科目は、経済学史、財政学、経済事情、経済史、経営学、憲法…と今列挙しただけで範囲があまりにも広範です。ただし、理屈抜きで暗記するだけで択一試験は何とかなるのも事実です。ゆえに、残り時間の8割を暗記系科目に割くつもりで臨むとよいかと思います。さらに、このなかでコストパフォーマンスが最も優れているのが、以前より何度となく紹介している「財政学・経済事情」です。なぜなら、この2科目は小さな労力の割に出題数が多いだけでなく(財政3問、経済事情6問)、総合職事務系職員として官庁訪問に臨むに際して、最低限頭に入れておかなければならない事柄が試験で問われるからです。
出願も済ませました。あとは後日届くメールの指示に従い受験票をダウンロードするだけです。それ以外は極力試験勉強に費やしてください。今年も法律・経済区分は採用予定数が減少します。特に、経済区分の減少率は10%超です。周囲は安心させるような言葉をかけてきますが、それに甘えることなく、やるべきことはちゃんとやっておきましょう。それでは、また。