みなさん、こんにちは。官庁訪問も終盤に近づいてきました。ほとんどの方は何がしか決着がついたのではないでしょうか。まだ選考過程にある方は、19日の内々定解禁日までくれぐれも気を抜かないようにしてください。うちには、第4クール朝の予約がもらえたものの、まだ安心できない受講生がいるので、この3連休も24時間体制で志望動機を再度練り直す作業が続きます…。
でもHPアクセス数をみる限り、この3連休に入り、うちのHPを閲覧する方が減少し始めています。「安心していい」といわれた人、持ち駒がなくなった人がこのブログを閲覧しなくなったのかもしれません。残念ながら内々定獲得に至っていない方は、権利を行使すべく、19日の解禁日まで訪問し続けることも構いませんが、決着が付いたら、早めに日常に戻り、民間の秋採用に転ずるなどして、次の舞台に備えることをお勧めします。
昨年もブログに書きましたが、官僚を目指す大学生を指導していて最も大事なのが、官庁訪問後のケアであることに気づかされます。もちろん、この時期には、予備校と受講生との受講契約期間は終了しています。とはいえ、「自分の人生なのだから、後は自分で決めなさい」と、最後の最後で梯子を外す行為もあまり気分の良いものではないので、受講生・非受講生問わず、遺言代わりに、いくつか述べておきます。参考にする・しないは皆さんの自由です。
第一に、前回のブログにも書きましたが、官庁訪問終了後、教養区分に向けて試験勉強を開始する行為に対して、私は全面否定の立場にあります(最終合格以前の段階で落ちた人が試験勉強する分には、全面的に応援しますし、12月官庁訪問のノウハウもありますので是非ご相談ください!)。理由についても前回のブログに書きましたので、詳細についてはそちらをご覧ください。もちろん、最終的に受験するかどうか決めるのは皆さん自身ですが、相談を持ちかけられても私の能力では何もできないので、お断りします。今回の官庁訪問で残念な結果に終わったものの、公務員に対する熱意がいささかも低下しないのでしたら、1年くらい様々な活動に精を出し、そして翌年の官庁訪問に臨むことをおススメします。
第二に、今回官庁訪問に再チャレンジしたけれど残念な結果に終わった人の中には、かなり厳しい評価を下された人がいるかもしれません。あまりの手厳しさに頭に来ている人もいることでしょう。でも、それは、いつまでも公務員ばかりみないで、もっとさまざまな進路に眼を向けてほしいという、厳しいながらも親切なアドバイスと捉えてみてはいかがでしょうか。このことについては前々回ブログに書きましたので、詳細はそちらをご覧ください。私の専攻である経済学の観点からみても、若く頭脳優秀な人たちが特定の職業に固執するあまり、何年も就職浪人する様は、社会的損失以外の何物でもありません。もしかしたら、当初自分が予想もしていなかった業種が適所であったなんてこともあるかもしれません。勇気を持って、新たな道を踏み出してみてはいかがでしょうか。場合によっては、数年後、経験者採用試験で再度官庁訪問をする道もあるのですから…。
第三に、今回の官庁訪問が上手くいかなかったからと言って、特定の省庁のことを悪く罵ったりしないでほしいです。官庁訪問の仕組みに問題があることは、訪問者のみならず多くの内部の職員も認識しているはずです(このことの弊害については、もう少し後の回でお話しします)。それに、訪問先を悪く言うのって、自分のこれまで数か月~1年の人生を自ら全面否定しているようで、見ていて痛々しく思えます。私も毎年多くの学生を指導しているので、残念な結果に終わった人の悔しさはわかっているつもりです。その悔しさを恨みに転化させるのではなく、次のステージにむけたエネルギーとして発揮していただきたいと思います。
最後に、これが一番大切なことだと思いますが、何か所も官庁訪問して、どこも上手くいかなかったからと言って、それはあなたが否定されたのではありません。その点だけは絶対に誤解しないでください。どうしても、憤りが消えないのならば、誰かに話を聞いてもらう、それだけでも全然違いますよ。いま、私が一番気にかけているのは、昨年あと一歩のところで内々定獲得に至らなかった受講生が、今年、再度官庁訪問をし、いくつもの省庁で切られながらも週明けの第4クールに残っていることです。世の中には、どんな状況に直面しても常に前向きに捉えようと必死にもがく人間もいるのです。こういう人間が傍にいることが、『暴力的』『血も涙もない奴』といわれようが、若者が自ら望む進路の手伝いを続ける私の原動力であると断言できます。
官庁訪問を通じて疎外感ばかり募ってしまった人へ、最後にある詩人の言葉を送ります。
『日は 人々の周りに明るく輝き/そして 高所から発する光で/
ほの暗い現象を 互いに結ぶ/知性が 根底から成就する知は/
そういう 日に似ている』 (ヘルダーリン)
みなさんを必要としている人、場所は必ずあります。まずは、日常に戻りましょう。それではまた。