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自分が何故霞が関に拘るのか、年末年始に考え、他人に話せるようになりましょう。


みなさん、こんにちは。昨日で年内の講義が終わりました。メールや電話での受講相談は30日まで行っていますが、事実上、昨日が仕事納めのようなものです。年末年始ですから「試験勉強しろ!」と言ったところで予定通りに進まないのは毎年のことですが、せめて自分のキャリア形成くらいはしっかり考えて下さい。年明け以降じゃ、就活やら試験勉強やらでじっくり腰を据えて考えることは出来なくなりますので…。

 先日、CIMAアカデミーOBの財務省4年目職員がやって来て、受講生と2時間ほどの座談会を行ったことは前回のブログにも書きましたが、省庁の説明会とは無関係ですので、話の中で財務省どころか公務員への勧誘すらありませんでした。昔と違い、国・個人・企業等、社会を構成するアクターの力関係は大きく変化しており、霞が関でなければ、社会を変えることができないなんてことはありません。だからこそ、話の中心が、変動する時代における個人の心構えについてであることは当然の成り行きと言えるでしょう。

 総合職志望者は、昔から公共心や利他心が強い傾向にありますが、昔に比べ早期の段階で、教育、格差問題、地方再生など具体的な分野にこだわりを見せるようになった気がします。ただ、そうした分野の多くは今では行政だけでなく、様々なアクターも手掛けるようになっていますので、本人にとっては完璧な志望動機であったとしても、私に限らず周りから「なんで、そこまで霞が関に拘るの?」と頻繁に問われているのではないかと思います。

 学歴だけじゃなく就職先についてもランキングが広く罷り通ってる状況では、周囲の視線も気になるというのも本音のところではあるのかもしれません。そういう考えを持つこと自体を否定する気は毛頭ありませんが、これだけ官僚を取り巻く厳しい環境が日々流布される中で、世間体で職業選択をする行為はお互いに不幸な結果しかもたらさないことは自覚すべきだと思います。

 私の家の近所に「地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター」があります。といっても都庁志望者でもなければ知らないでしょうけれど、旧・養育院といえば日本の近現代史専攻の方ならばご存知かもしれません。そこの正門近くの緑地に、椅子に腰かけ南方をじっと見据える大きな渋沢栄一像があります。

 しょっちゅう見ているので今の私には全く感動もありませんが、渋沢の銅像は私が知っている限り23区内には3体しか(も?)ありません。そのうち、総合職志望者が最も目にする機会が多い常盤橋(日銀の近くです)公園にある渋沢像は死後に作られたもので、帝国ホテルにある渋沢像は、渋沢自身除幕式に参列してますが胸像です。ゆえに、本人が除幕式に参列ししかも全身の銅像は旧・養育院にある写真のものだけです。

 総合職志望者でしたら渋沢栄一と言えば「日本資本主義の父」『論語と算盤』の著者ということくらいはすぐに出てくるかと思いますが、実は生涯を通じて渋沢自身が最も深く関わっていたのが、旧・養育院事業であることは、あまり知られていません。

 養育院とは、明治維新後急増した窮民救済を目的とした、病院、乳児院、孤児院、養老院などの機能を併せ持った施設で、1872年(明治5年)10月に創立されました。その原資には、営繕会議所の共有金が充てられましたが、このお金は寛政の改革時の老中であった松平定信により創設された七分積金が明治政府に引き継がれたものです。

 渋沢は大蔵省退官後の明治7年から養育院事業に関わり、同12年には養育院の初代院長となり、1931年(昭和6年)に91歳で亡くなるまで50年余に渡り院長として事業の発展に力を尽くしました。養育院事業は我が国の社会福祉・医療事業の先駆的存在ではありますが、その歴史は苦難の連続でした。

 当初、養育院は本郷加賀藩邸跡(現在の東京大学)の空長屋に設置されましたが、その後、上野(現在の東京芸術大学の校地)、神田、本所、大塚と移転を繰り返し、明治22年に当時の東京府に移管され、ようやく財政基盤が安定します(これも渋沢がその間必死になって資金を集め、養育院を存続しつづけてきたことが評価された結果です)。ところが、関東大震災で施設は壊滅し、その後、現在の東京都健康長寿医療センターのある板橋区に移転したという次第です。

 日本資本主義の父とよばれ、現在の名だたる上場企業の創設に大きくかかわってきた渋沢ですが、企業については軌道に乗ると次々に経営から離れたにもかかわらず、養育院については生涯に渡り関与することを止めなかったのは注目に値します。みなさんは、多くの大学生に比べパブリック・マインドが強いですが、だからといって、そうした人間が活躍する場は公務員だけと決めつけるのは如何なものでしょうか。

 「公務員試験の予備校の人間がそんなこと言ってどうする?」と文句を言われそうですが、CIMAアカデミーはほとんどが官僚になるとはいえ、全員が官僚ではありません。進路状況にも記載していますが、日銀はじめ政府系機関に就職する人もいますし、少数ながらも外資系コンサルに就職する人もいます。周囲に引きずられるのではなく、主体的に進路選択をする決断力を養うのも弊社の務めだし、それも含めて試験勉強であるとご理解いただけると幸いです。

 東京都健康長寿医療センターの2Fには「養育院・渋沢記念コーナー」がありますし、お隣の北区にある飛鳥山公園には渋沢資料館(旧渋沢邸)がありますので、この年末年始に「社会貢献とは何か」学んでみるのもよいでしょう。(再来年の大河ドラマは渋沢栄一のようですし、聖地巡礼のつもりで訪問してみては如何ですか?なお、私、その辺りに出歩くことが多いですが、会っても無視してくださいね)。

 最後にまた宣伝になりますが、CIMAアカデミーHPには来年1月実施予定の久米 隼人・厚生労働省大臣官房人事課課長補佐による『これからの霞が関での働き方とキャリアを考える』と題する講演会が告知されています。表題から想像つく通り、これも厚労省の業務説明会とは全く無関係です。自分の進路選択に対して不安に感じることがあるのならば、面倒くさがらず当事者に直接尋ねればいいし、そうした機会をみすみす逃すことはあまりにももったいないですよ。ご関心のある方は詳細についてHPを是非ご覧ください。

 おそらく本ブログが今年最後だと思います。みなさま本年も大変お世話になりました。来年がよい1年でありますよう、できる限りの努力をしましょう。

それでは、また。


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