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正しく怯えながらも、その中に希望を見出すことができますか?


 みなさん、こんにちは。時が経つのは早いもので、今月末には教養区分の1次試験が始まります。受験予定の方は、きっと択一試験対策重視の毎日かと思いますが、1次試験通過できるくらいの得点の目途がついたら、沢山論文書いてたくさん朱入れしてもらうくらい添削をお願いしましょう(全体の配点を調べればすぐわかると思いますが、択一至上主義で試験に臨むことは、最終合格までを見据えた戦略としてはほとんど意味ありません。もちろん、本番は春で、今回は択一問題の進捗状況確認のためというのでしたら、私が言うことは何もありません。頑張ってください)。

 先月下旬、厚生労働省改革若手チームによる『厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言』が公表されました。マスメディアでも大きく報じられましたので、皆さんすでにご存じのことと思います(弊社でもFacebookに記事のリンクを貼りました)。一昨年以来、度重なる中央省庁の不祥事が社会を騒がせ、その都度、「財務省再生プロジェクト」や「文部科学省未来検討タスクフォース」という形で、不祥事を起こさせない組織再生案が次々公表されてきたので、当初は厚労省の提言もその延長線上程度にしか捉えておらず、私の中では正直あまり関心は高くありませんでした。

 しかし、Facebookにも書きましたが、うちが総合職受験を専門とする予備校であり来春入省する受講生がいることに加え、今回の若手チームのリーダーである久米隼人君(敬称略でごめんなさい)が私の前職時代の受講生だったことから無関心を装うことはできず、提言本文はもちろん概要(といってもパワポ50ページを超える規模ですが…)にも目を通しました。

 内容については、メディアでのセンセーショナルな扱いとは裏腹に、こういう業界にいる人間には既知のことばかりなので特に驚きはありませんでした。しかし、今回の提言の最も大きな意義は、内部から自発的に改革への声が上がったことにあると私は理解しています。これまでも、マスメディアを通じて元職の声として、厚労省に限らず霞が関の劣悪な労働環境が紹介されていました。ただ、予備校という謂わば入口を担う側の眼には、説明会等において仕事のやりがいや魅力あるキャリアパスが前面に押し出されることで、就活生の感じる不安をかき消してきたように映っていました。

 今回の提言は、官僚になることを目指している受験生には、どのように映るのでしょうか。もし、他人事のように考えて、「自分の志望度にはいささかも変化がない」と呑気なことを言っているようならば(冗談抜きで本当に多いです)、「想像力の欠如が目に余るから、今すぐ進路変更した方が幸せになれるよ」と助言します。一方、過剰反応し気持ちが萎えてしまっているようならば、その人も違う道を選択したほうがいいかもしれません。

 1月のブログでも書きましたが、皆さんには「正しく怯えそして怖がる」ことをおススメします。正しく怖がるとは、ただ怖がるのではなく、提言の中に、自分にとっての希望が見出せるかどうか冷静に分析してほしいということを意味します。他の公務員志望者に比べればマシかもしれませんが、時期的にこの手の報道がなされると、内定者を不安に陥れようとする悪質ともいえる書き込みがネット上で拡散します。

 この1週間、来年に向けて指導している受講生だけでなく、勤務先の大学で複数の内定先から進路を決めかねている学生に、今回の提言をちゃんと読むように指導してきました。私としては、官僚あるいは国家公務員志望者が減りかねない試みでもありましたが、私の周囲では現時点において学生の評価はかなり好意的です(就活生全体としてみると、国家公務員志望者がさらに減少するのかもしれませんが…)。少なくとも、気持ちが揺らいでいる様子は全く見られません。

 ある学生が、県庁、裁判所職員、そして厚生労働省一般職から内々定もらったけれど、自分の当初の希望、WLB、仕事のやりがい、それぞれで進路に迷っているという相談を受けました。私は今回の提言を紹介した上で、「これを読んで、こんな職場嫌だ!と思うようならば、県庁か裁判所行きなさい」と書き送ったところ、後に、「資料を拝見させて頂きましたが、効率化や人事評価方法などの職場環境の改善に向けて動こうとしているのが伝わりました。よく考えてみます」と返信が届きました。提言に込められた真摯な思いはちゃんと学生には届いているようです。

 働く場所には困らないご時世ですし、正直、待遇面で官僚よりも魅力的な仕事は他にもあります。だからこそ、今回の厚生労働省改革若手チームによる緊急提言は読んでみるべきだと思います。提言を読んで、怖れしか感じないようならば違う道を歩んだ方が幸せになれますし、一方で、提言から希望を見出すことができ、自分も変革の一員として加わりたいという思いが強まったのでしたら、試験勉強に一生懸命励んでください。

それでは、また。


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