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執筆者の写真cimaacademyweb

時間的に間に合うかわかりませんが、一から志望動機を見直しませんか?


 みなさん、こんにちは。今年の総合職試験の最終合格発表まであとわずかとなりました。今年は翌日から官庁訪問がスタートしますので、不安に苛まれる方も、それを打ち消すようにES添削ならびに模擬官庁訪問を繰り返し受講しています。官庁訪問は気合が最大の武器となりますが、気合を持って臨むには、ギリギリまで徹底した不安の解消に勤しむことが唯一かつ最大の対策となります。

 この週末は、CIMAの受講生のほかに、普段ならば出会えない数多くの受験生相手に模擬官庁訪問を行いました。日常的に接しているCIMAの受講生は現役大学生・大学院生ばかりであるのに対して、今回はそのほとんどが既卒社会人かつ複数回目の受験者でしたので、自分のところの学生との思考回路の違い(もちろん、うちの受講生もここに至るまでにかなりの軌道修正を私に要求されてきましたが…)が非常に印象深かったです。

 既卒で雇用形態はともかく何がしかの仕事を持っている人ばかりですので、仕事上の経験から志望動機を練り上げているものと私は予想していたのですが、そのような人はほとんどいません。院生時代に最も力を入れた勉強や芽生えた関心分野に近い業務を所管しているから志望した、という内容ばかり、あるいは、社会情勢に対する憤りが志望動機の出発点であるものの、その後はひたすら自説展開に終始するもの…、彼らに対し私は終日、厳しい指摘と個人環境の聞き取りの繰り返しばかりでした。

 本人は最良のESを書き上げ持参してきたつもりなのでしょうが、20年近く総合職受験生を指導し続けてきた私には、いずれも「今の環境から一刻も早く逃れたい」「官僚になれるのならばどこでもよく、そのために競争相手が少しでも少ないところ(実は、いわゆる不人気官庁のほうが内々定解禁日直前まで選考が続くから大変なんですけどね…)を選んだ」というようにしか映りませんでした(これらについては、ちゃんと本人にハッキリ伝えています。ゆえに、このブログがきついと感じるのならば、ご自身の精神衛生上読まないほうが得策です。また官庁訪問では、この何倍ものキツイ事態が待ち受けていると思いますので、予備校の内定実績を高めたいとかそういう厭らしさ抜きに、気持ちが弱い人は本当に官庁訪問しないことをおススメします)。

 実は、彼らの多くは既合格者で官庁訪問再挑戦でした。しかし、ESからは「そもそも何故、国家公務員を志望したのか?」を1年間の間、常に自問自答した様子は感じられません。前回の訪問時には別の省庁を志望していたけれど切られてしまったため、今回は違うところを訪問する。で、そうした消極性を少しでも隠すために、業務や政策に関する知識詰め込みに走り、パーソナリティにまで思いが至らず、適性を無視し、無理やり自分を志望省庁の業務全体に適しているというように作り込んでしまう…。

 「官庁訪問をここまでやれて本当に良かった。内々定に至らなかったのはもちろん残念だし悔しいけれど、自分の未熟な点がどこなのかわかったし、この経験は内定先企業に就職してもきっと活きる!いろんな人に支えられてここまで来られたのは、自分の財産だ!」

 これ、内定者の言葉じゃありません。一昨年、あと一歩のところ(第4クール夜です…)で内々定獲得に至らなかった元受講生の言葉です。その学生の話によれば、彼と面談をしたほぼすべての職員が、ほんとうに彼のことを知ろうと誠実に応対してくれたようです。ただでさえ多忙な勤務状況の中で、採用活動の一翼を担うことが極めて過酷であることは想像に難くありません。それでも、人生をかけて対峙する学生と真摯に向き合うことで、結果の如何にかかわらず、当該学生にとって大きな財産になるのが官庁訪問のもう一つの姿なのかもしれません。

 いま、再チャレンジを考えている人が前回体験した官庁訪問は、上記の学生が体験したものとは異なるものだったのかもしれません。パワーアップした自分を表現しなければならないのに、どの人も社会人としての現状で積み上げてきたものを一切表明しない(なぜ言えないのか、理解はできますが、でもそれは理由にすらなりません…)。挙句の果てには、あれほど「無意味だ!」といってるのに、過年度の権利で訪問できるにもかかわらず今年も受験しており、順位を上げることくらいしか、己のパワーアップ表現手段が思いつかない…。

 水曜日から官庁訪問が始まってしまうことから、もう時間はほとんどないでしょう。それでも、再度、官庁訪問をしようと思い至った気持ちをまずは大切にし、ギリギリまで自問自答を繰り返してください。きっと、自分が何故そこまでして国家公務員にこだわるのかが言語化できるかもしれません(強調しておきますが、現役学生だってここができている人はそう多くありません。)。さらに言えば、自分が本当に輝くことができる職場が、今回訪問しようと思っている省庁なのかどうかも明らかになるかもしれません。それでは、また。


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