みなさん、こんにちは。私はようやく大学の定期テスト採点&成績評価(計400名分)完了しました!今回は不可が僅か2名(うち1名は受験資格がないため対象外)でした!評価甘過ぎと言われそうですが、持込み可とはいえ、これまでは平均1割強「不可」が出ていたし(科目によっては2割以上…)、評価方法も今までと全く変えていませんので、今回については素直に学生を褒めたいと思います。
予備校講師とは別に大学で経済学の講義を担当するようになって6年経ちましたが、私は毎回の定期テストではスマホと電卓以外持ち込み可のスタイルをずっととっています。テストの実施方法は人それぞれ思い入れがあってのことでしょうから、どうこう言うつもりはありません。私は、知識をどれだけ吸収したのかを試すスタイルを否定する気は毛頭ないけれど、経験上もっとも大事なのは、卒業後、それぞれの生活の場において経済学の話を耳にした時に、「あれ?それ学生時代に聞いた覚えがあるなあ。意味忘れちゃったけれど、何だっけ?」と言いながら、調べる習慣が身に付いていることだと思っています。特に、経済学部がない大学における一般教養科目としての経済学の講義ならばなおさらです。
ゆえに、私の試験では、資料持込み可のスタイルをずっととっています。テスト中は、学生が資料や本をめくるときの紙の音がずーっとしています(200人が一斉にペラペラ紙をめくっている様子は壮観です)。わからないことがあれば「まずは調べる!」という習慣がこの先の生活において根付いてくれればと願っています。できれば、1つの課題に対して、数多くの情報にあたることで自分なりの答えを見つけれくれれば最高ですが…。
こんなスタイルでテストをやっていることに加え、講義中寝てても私は一切怒らないし起こしもしない、遅刻してきても出席扱いにしているせいもあってか、大学生の間では私の講義は「楽単」という扱いになっているようです。ただし、私語については別です。すぐ怒るし、今では「試験問題の難易度を引き上げる」と宣言し本当に実行しています(今回は違いますが、例年、科目によっては2割程度「不可」が出ているので「楽単」ではないような気がするのですが…)。
こうした垣根の低さも手伝ってか、担当科目によっては受講者数が200名を超えるのもありますが、真面目に講義に臨んでいる学生からは、①寝てる人に対するペナルティが一切ない、②私語に対して「試験問題の難易度引き上げ」という措置は、真面目に参加している学生にも大きな負担となる、という批判を受けることもあります。でも、話は聞きますし、理由を求められればちゃんと答えますが、自分のやり方で少なくとも真面目に講義に臨んでいる人が「損をする」ということはないはずなので、考えを変えることはまずありません。
入試や採用試験のように合格者数があらかじめ決まっているものならば、誰かに対して甘い態度をとることは公正を歪めることになりますが、定期テストは講義の理解度を試すものですから入試とは異なる性質を有します。講義を妨害したというのならばともかく、お世辞にも真剣に取り組んでいるとは思えない学生(一般教養科目ではよくあります)に寛容であることは、真面目に講義に臨んでいる学生に対して損害を与えていることにはならないと思うのですが…。
何度も繰り返しやってくる入試からやっと解放されたと思ったら今度は就活…ずーっと競わされてきたせいなのかわかりませんが、いつの時代も若者は公正さに敏感であるように思いますし、その中でも、このブログを読んでくれている皆さんは社会のルール作りに関心が強いのですから、人一倍社会公正に対して敏感だと思います。きっと、みなさんの内面にはきっと公正な社会像なるものがあるのでしょうけれど、「自分の気持ち良さが他人に息苦しさを齎してはいないか?」と、表に出す際、ちょっと立ち止まってみてはどうでしょうか。
みなさんが関心を寄せる分野に対して全員が同じ態度で臨んでいるわけではありません。私だって、全員が総合職試験合格のために集うCIMAでの経済学の講義と、様々な学部生が集う大学の一般教養科目としての経済学では、到達目標も講義方法も全く異なります。毎年、官庁訪問対策や教養区分試験の2次対策を指導していて感じるのですが、(自分にとっての)正論が思うように響かなくても、その場を楽しめるくらいのゆとりを持ってほしいと思います(難しいことではありますが…)。きっと、話の聞き手が皆さんを見る目にも変化が生じてきますよ。
話は変わって、新3年生の方、大変お待たせしました!今年秋のCIMAアカデミー教養区分向け講座を公開しました。経済区分コースをお考えの方も、教養区分はコースに含まれていますので、詳細についてはHPをご覧ください。この時期は4年生と一緒に講義に参加することも多いので、試験勉強のモチベーションを高めるのに大いに資すると思います。
これまでにも幾度となくブログに書いていますし、受講相談でも話していますが、教養区分って、いまじゃ、倍率、合格者の属性いずれをとっても、総合職試験のあらゆる試験区分の中で最もハイレベルなのは疑いない事実でしょう。1次試験で課せられる択一試験が「教養科目だけ」というのが、「与しやすい」「お得」というイメージを多くの受験生に与えているのでしょうが、総合論文(一次試験で課せられるが、評価は2次試験時に使われる)をはじめ、2次試験での皆さんの負担は半端ないですよ。法律区分や経済区分も視野に入れて、「本番は来年春なので、教養区分は前哨戦」の姿勢で臨むのが最善です。
択一試験の垣根が低いということに加え、合格発表後、官庁訪問まで民間就活に時間を割くことができる点が教養区分の魅力ですが、近年の倍率は20倍近い高倍率で推移しています。当然ながら、不合格になる人もたくさん出ます。問題は、その後の行動です。春試験は勉強時間の負担は確かに大きいですが、その負担にめげず継続して勉強すれば、過去のうちの受講生を見る限り、必ず結果はついてきます。しかし、周囲がこぞって民間就活に勤しむ様子を見たせいなのか、知らず知らずのうちに「民間か?、公務員か?」というニ者択一に自らを追い込む人が多いように思われます(さまざまな統計指標からは、皆さんを取り巻く状況は極めて恵まれているにもかかわらず…)。
私は以前より、事あるごとに「民間か?、公務員か?」というニ者択一ではなく、「民間も、公務員も!」の気持ちで受験勉強を行い、官庁訪問までに最終的に決断すればよい、と指導していますが、官か民か志望を確定させてから必要な行動に移す、という人が年々増えているように思われます。第一志望であるかどうかはともかく、周囲の誰もが内定先を確保できてしまう時代において、総合職試験は、多くの大学生にとって、これまでにないくらいハイリスクな選択肢に映って見えるのかもしれません。
もちろん、先に志望先を確定させてから行動を開始することを完全否定するつもりはありませんが、超売り手市場(しかも構造的な要因で売り手市場になっているので、ちょっとくらいの景気停滞では現状が大きく変わることもないでしょう…)だからこそ、皆さんには「民間か?、公務員か?」というニ者択一ではなく、「民間も、公務員も!」の気持ちで行動し、自分たちの側から最終決断を採用側に通知する、くらいの生意気さを発揮してほしいし、また、そうなることが採用側の強い関心を引くように思われます。いずれにせよ、ちょっとでも興味がわきましたら、まずはお問い合わせください。無料体験講義&受講相談のご案内をさせていただきます。
それでは、また。