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超売り手市場と公務員試験対策の狭間で


 みなさん、こんにちは。教養区分組の人は来週末の最終合格発表を控え落ち着かない日々を過ごしているかと思いますが、CIMAアカデミーは束の間の平穏状態にあります。もちろん、講義はいつも通り実施していますが、余りの平穏ぶりに、講義の出席者もここのところ少ない日々が続いています。

 昨日は、今春、財務省に入省した元受講生が遊びに来て、少しの時間ではありましたが現受講生に今の仕事などいろいろ話をしてくれました(正確に言えば、私が「もうそろそろ貸している本返して!」と督促したので、やってきただけなのですが…。ちなみに、返してもらった本は、すぐに現受講生の手に渡りました…)。昨日講義に出席していた受講生は全員、志望先の一つに財務省を考えていたので、普段の説明会ではなかなか聞きにくいことも尋ねることができて、良い刺激になったことと思います。

就活が超売り手市場にある現在、公務員試験勉強を行うだけのモチベーションを持続させることは困難になっているかと思います。特に、経済系の学部はもともと民間志向が強いところであることに加えて、昨今の中央省庁に対する世論の厳しい批判も手伝い、学生の民間志向に一層拍車がかかっています。

 もちろん、省庁側も手をこまねいているのではなく、積極的に採用活動を展開しており、そうした取り組みは予備校にまで伝わってきます。しかし、学生の話を聞く限り、私の脳裏に思い浮かぶ姿はというと、縮小していくパイの奪い合いです。最近、学生の口からはこんなことを多く聞かされます。

「政策って、もっと長期的な視点から考えるものと思っていたけれど、誰が出てきても、商社かコンサルで聴かされるような話ばかりしてくる…。○○省はそういうタイプの人を求めてるんですかね?」

「△△省は最近、国際的な業務についてやたら強調してくるけれど、それならば××省に行ってきいてくるのに…」

 上記の発言が全て事実だとしても、多くの学生に関心を持ってもらうために、ややもすると偏ったアプローチをとっているのでしょうから、こうした方法自体が悪いとは思っていません。ただ、予備校の人間がこんなこと言うのも気が引けますが、公務員志望者の多くは地味でおとなしい子たちなんですよね。たまに在学中に公認会計士に合格する学生もいますが、でも皆おとなしく、自己アピールに長けた人間なんか皆無と言っていいくらいです(CIMA生だけかもしれませんが、でも前職時代でも会ったことはほとんどないです…)。

 「本音のところでは、民間じゃ、とてもやっていけそうにないから公務員」という受験層は論外ですが(最近、大学では本当に増えています…)、法律や経済学など大学での専門科目をしっかり学んできた層よりも、就活に長けた層を重宝がるように映ってしまうのは如何なものかな、と個人的には感じます。こんな逆風の最中にも官僚を志望する学生はおそらく「時間をかけて、原石を優秀な人材へと育成していく姿勢」に魅かれ、原石として認めてもらうために専門科目を学んでいるのだと思っています。

 もちろん、学生もこれまでのようなペーパーテスト至上主義からは脱却しなければなりません。かつてに比べ、総合職試験の垣根は低くなっており、これまで合格者をあまり輩出してこなかった大学でも、チャンスは広がっています。だからこそ、自ら積極的に、説明会という他流試合に臨むくらいの心構えが必要かと思います。

 ちなみに、昨日やってきた元受講生は、決してペーパーテストの点数がよかったわけではありません。ただし、当初は憧れに過ぎなかった財務省が、1年近くの受験勉強を通じて、自分の人生において必然なものであると転化していくことができました。そして、昨日の様子を見る限り、呆れるくらい元気で、今のところその選択は正しかったんだな、と思いました。

それでは、また。


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