みなさん、こんにちは。先日より、国家公務員総合職試験がスタートしました。私は、当日、試験会場である拓殖大学に行き、受講生に毎年恒例の直前チェックシートを渡し、早々に撤収してずっと寝てました(ずいぶん受験生集まってるなあと思ったら、法律区分も一緒だったんですね。てっきり、法律は日大商学部のみとばかり思ってました…)。
以前よりSNSで発信していましたが、私は昨日、ようやく試験問題を入手しました(うちは他の公務員併願者がほとんどいない学校なので、当日入手するインセンティブがないのです。ゆえに、例年、ゼミ開講日に学生から借りることにしています)。で、問題を見た私の感想はというと、「しょぼい。手抜き」この一言に尽きます(これから書く内容は全て経済区分専門問題についてです)。
全ての問題が基本レベルですが、それでもミクロ・マクロは見せ方を変えることで受験生のその場の思考力を問う努力はみられました(でも、どれも見覚えありますが…)。ところが、経済学史(№16)以降、そうした試みすら全く見られなくなりました。事情分野は過去問の数字をいじっただけ、受講生にも指摘されましたが、思わず「?これ、うちの予想問題集からの出題か?」と首をかしげました。理論も、特に統計計量に至っては、過去問ほぼそのまま…コピペといっても支障ないレベルです。少なくとも、№16以降は何も考えず過去問だけを繰り返していれば落としようがありません。
ゆえに、私は、独学者でも過去問だけ繰り返しやっていれば、だれでも7割は取れるレベルと言っておきます。もちろん、最近の経済区分の傾向からして一次通過レベルはもっともっと下になるでしょうけれども、このレベルで7割も取れず2次試験に臨んでも、それこそ鬱になるくらい引き籠って試験勉強に時間を費やさない限り、無駄におわると思います(うちのHP上にH27だけですが、記述問題のサンプル動画あるので、それをご覧になると問題のレベルが把握できるかと思います)。
これで、私の択一問題批評はおしまいです。ずいぶん厳しい物言いだなあと思った人もいるでしょうが、今年に関しては、私は批評する立場にある、というよりしなきゃいけない立場だと思っています。ご存知の方もいるでしょうが、今回、元受講生が試験委員として参画しています。どんな問題作るのだろうと期待していました。どんな分野でもそうでしょうが、べた褒めはありえないし、むしろ厳しい評価が当たり前でしょう。そんな中でも、通常は、よくできている点は素直に褒めるのが健全な批評です。しかし、ちょっと前に見た問題ばかりでは、こちらはただただ悲しい思いしかありません。もっと悲しいことに、数年前の問題にまで遡る手間さえかければ、だれでも楽勝の試験なのに、半分にも満たない正答率の学生が多数いる現状に、総合職試験も地に堕ちたという感想を持たざるを得ません。
とある大学教授がこんなことをいっていました。
「入試問題は、入学してもらいたい学生像をイメージしながらつくるものなんだ。そうすれば、どんな問題を出題すべきか見えてくるんだよ」
今年の択一問題からは、すくなくともそうしたメッセージ性は何も感じられません(私が鈍いだけなのかもしれませんが…)。ただ、これを仕事と言い切るのならば、受け手である受験生もそれに見合った人しか集まらない…そんな気が私はします。そして、手厳しい批評はそのまま私にも跳ね返ってきます。「おまえが伝えてきたものなんか、入省してわずか数年で、最初から存在していなかったものになるんだ。だから、合格させることだけ考えてりゃいいんだ」と。
悲しい思いとゼミ生に悪態つきまくるしんどい一日だったので、お詫びに今年の択一問題の解説します(ただ、疲れたら途中でやめます)。それと、うちは他の公務員試験併願者がいません。ゆえに、経済事情の問題はもう商品にならないので(科目の性質上、毎年1から作り替えなくてはなりません)、HPの【お問い合わせ】ページに経済事情予想問題集のPDFデータを掲載しておきますので、他の試験、特に、国税、労基、財務専門官および国家一般職、地方公務員の受験を考えている方は、ご自由にダウンロードするなりしてご活用ください。今年の総合職試験問題との類似性も確認できるかと思います。なお、PDFにはパスワードが掛かっています。ゆえに、ご覧になりたい方は【お問い合わせ】フォームよりお尋ねください。それで、何かうちの講座を購入するよう、強要はしませんのでご安心下さい。また、先日までうちの学生が使用していたものですから、クオリティの高さは保証します(とはいえ、無料ですのでクレームは一切受け付けません…)。
№7,8はいつもよく見る問題なので解説割愛します。疲れたので今回はこれで終わりにします。リクエストがあれば他の科目の解説も考えますが、本当にどの問題もしょぼいですよ。なので、まずは自分で解いてみてください。他の試験でも出題されてもおかしくないレベルですよ。
それでは、また。