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進路選択について思うこと


 みなさん、こんにちは。半月ぶりのブログ更新です。公務員試験勉強や説明会で多忙にしている皆さんには関係ないかもしれませんが、連日熱戦が繰り広げられているオリンピックに、仕事の手も止まってしまいますね。

 新3年生の方、大変お待たせしました!今年秋のCIMAアカデミー教養区分向け講座を公開しました。経済区分コースをお考えの方も、教養区分はコースに含まれていますので、詳細についてはHPをご覧ください。この時期は4年生と一緒に講義に参加することも多いので、試験勉強のモチベーションを高めるのに大いに資すると思います。

 これまでにも幾度となくブログに書いていますし、受講相談でも話していますが、教養区分って、いまじゃ、倍率、合格者の属性いずれをとっても、総合職試験のあらゆる試験区分の中で最もハイレベルなのは疑いない事実でしょう。1次試験で課せられる択一試験が「教養科目だけ」というのが、「与しやすい」「お得」というイメージを多くの受験生に与えているのでしょうが、総合論文(一次試験で課せられるが、評価は2次試験時に使われる)をはじめ、2次試験での皆さんの負担は半端ないですよ。だからといって、法律区分や経済区分みたいに、早期から受験勉強をする必要はありませんが、「本番は来年春なので、教養区分は前哨戦」の姿勢で臨むのが最善です。

 択一試験の垣根が低いということに加え、合格発表後、官庁訪問まで民間就活に時間を割くことができる点が教養区分の魅力ですが、近年の倍率は20倍近い高倍率で推移しています。当然ながら、不合格になる人もたくさん出ます。問題は、その後の行動です。春試験は勉強時間の負担は確かに大きいですが、その負担にめげず継続して勉強すれば、過去のうちの受講生を見る限り、必ず結果はついてきます。しかし、周囲がこぞって民間就活に勤しむ様子を見たせいなのか、知らず知らずのうちに「民間か?、公務員か?」というニ者択一に自らを追い込む人が多いように思われます(さまざまな統計指標からは、皆さんを取り巻く状況は極めて恵まれているにもかかわらず…)。

 私は以前より、事あるごとに「民間か?、公務員か?」というニ者択一ではなく、「民間も、公務員も!」の気持ちで受験勉強を行い、官庁訪問までに最終的に決断すればよい、と指導していますが、官か民か志望を確定させてから必要な行動に移す、という人が年々増えているように思われます。第一志望であるかどうかはともかく、周囲の誰もが内定先を確保できてしまう時代において、総合職試験は、多くの大学生にとって、これまでにないくらいハイリスクな選択肢に映って見えるのかもしれません。

 もちろん、先に志望先を確定させてから行動を開始することを完全否定するつもりはありませんが、超売り手市場(しかも構造的な要因で売り手市場になっているので、ちょっとくらいの景気停滞では現状が大きく変わることもないでしょう…)だからこそ、皆さんには「民間か?、公務員か?」というニ者択一ではなく、「民間も、公務員も!」の気持ちで行動し、自分たちの側から最終決断を採用側に通知する、くらいの生意気さを発揮してほしいし、また、そうなることが採用側の強い関心を引くように思われます。

 この時期だと「顔を売る」ために説明会に参加する人も多いでしょうが、一緒に志望動機を考えたり、いろんなイベントに誘われたりして、さんざん持ち上げられながらも、いざ官庁訪問になったら、お断りされる…というケースはこれまで数えきれないくらい見てきました。一方で、いろいろ自分の眼で先入観なく見た上で、自分の信念に従い行動できた人は、ほとんど皆どこかに決まっています。もちろん、気持ちを強く持つことは難しいと思いますが、うちの学生を見る限り、気持ちの強さと試験勉強の進捗度に相関があることは確かです。

 成績が思うように伸びないから信念が弱いのか、反対に、信念に欠けるから勉強が思うように進まないのか、それは、私には分かりません。事実、うちの学生を見ても、毎年直前期に行う小テストで、学生間の点数にかなり開きが生じます。しかし、どの学生も、我が国を代表する大学に在籍する人間ですから基礎学力が劣るなんてことは考えられません(自分は劣っていると思い込んでいる学生はたくさんいますが…)。ただ、やたらと進路に関して目移りする子は、テストの成績が良くない傾向にあります。おそらくは目移りするが故に、学習時間を十分確保できないのでしょう。

 ゆえに、総合職を志望する人に関して言えば、学力に問題があるから試験勉強がはかどらない、と自分を卑下するのではなく、気持ちを強く保つ努力をすべきでしょうし、それが、みなさん自身の魅力を高める一番確実な方法だと思います。一般論の域を出ませんが、皆さんの多くは、勉強で周囲から高い評価を受けてきたはずです。もし、皆さんにとって、官僚が魅力的な職業であるのならば、そのためには最低限、試験に合格しないといけないのですから、まずは十分な勉強時間をもって、自信をもつべきでしょう。

 これからは、もっと不安に苛まれます。だけど、勉強をしなければ、その不安を克服することはできません。もちろん、現在のような超売り手市場ならば、適当な言い訳により自分を慰め、試験という舞台を降りて、次善の進路先へと変更することもできます。どちらが自分に相応しいのか考えてみるのもよいかもしれません。

 私は予備校の人間で、皆さんには試験を受けてほしいから多少煽り気味に書いていますが、同時に「各省庁の採用担当者は、自分たちの魅力を大学生に伝える努力をちゃんとしているのか?」という疑問も年々強く感じています。説明会の回数やテーマを多くする、若手職員を多く登場させる、反対にキーパーソンを登場させる…でも、目新しさを全く感じないのは、私の感覚がおかしいだけなのでしょうか…。いずれにせよ、公務員を志望している皆さんは、全ての空き時間を勉強に費やすくらいで臨んでください。もう、そういう時期に差し掛かっています。

 それでは、また。


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