みなさん、ご無沙汰しています。今月は内閣府、文部科学省説明会と、2週連続に渡り説明会を開催したことから、またまたブログ更新が遅れました。時が経つのははやいもので、CIMAアカデミーも昨日、年内のスクーリング講義が終了しました。年明けは5日(金)からですが、電話やメールその他SNSを通じた受講相談や質問は年中無休で対応していますし、経済事情や2次対策の教材を作成しないといけないので、私にとっては普段とあまり変わりありません(昨年も同じようなこと書いてますね…)。
人手不足の深刻さが叫ばれるようになって久しいですが、この影響は公務員試験も例外ではありません。10年前とは比較にならないくらい多数開催されている各省庁の説明会は、まさに人手不足の象徴といえるでしょう。もちろん、民間企業も負けず劣らず様々なイベントを開催していますので、人材確保にはどこも苦労しているようです。これだけ採用側が宣伝活動を積極的に行っているのですから、学生側はさぞかし試験勉強のモチベーションが高まり…となるかと思いきや、年々、試験勉強が疎かになっているように感じられます。
ただし、これを大学生の学力低下と結びつけるのは誤りだと思います。中堅レベルとはいえ、週5~6コマの講義を抱えている大学教員の立場から言えば、大学生の授業への取り組み具合は、私が学生の頃よりもはるかに真摯でかつ出席率も相当な高水準にあります(もちろん、女子大は概してどこも出席が厳しいという事情もありますが…)。少なくとも「カレーの作り方」など、中高年サラリーマンが昔話として語るような答案に、出会ったことは一度もありません。
一方で、経済区分に話を限定しますが、試験問題の難易度と一次試験の合格最低点の関係をみると、問題は易化傾向にあるのに合格最低点は低水準で推移し、今年に至っては経済理論、統計計量、国際経済といった理論科目はいずれも昨年に比べて易しいにもかかわらず(試しにH28とH29の国際経済学を比較してみるとよいかと思います。今年の方が格段に易しいことが分かるかと思います)、合格最低点は前年並み、平均点に至っては今年の方が1.5点ほど下回っています。
経済区分が本来想定している受験者層は経済学部生ですが、昨今の就活市場において経済学部生の就職状況はどこも総じて良好です。このこと、すなわち優秀層は早い段階で民間企業に事実上内々定し就活そのものを終了してしまう、もしくはとりあえず公務員試験は受験するが民間企業の採用意欲が旺盛なため準備不足のまま公務員試験に臨んでしまう、という経済学部固有の事情が、経済区分の平均点ならびに合格水準低下につながっているのではないかと私は認識しています。残念ながら、CIMAアカデミーもこうした風潮とは無縁とはいえない状況にあります。
もちろん、何が何でも公務員じゃないとダメと言うつもりは毛頭ありません。本人が納得ずくで選んだ進路ならば、それを尊重するのが私の務めだと思っています。ただ、試験勉強を疎かにしたまま民間就活することに対して苛立っているだけです。というのも、経済区分志望者の多くが併願先として意識するところは、過去の受講生を見る限り、政府系機関や総合商社、妥協してメガバンクのようですが、いずれも勉強していないと相手にしてもらえないところばかりです。リクルーター等の心証を良くするために、やたら過去の業務におけるエピソードばかり尋ねてどうにかなるような世界ではありません。
嫌味な物言いになりましたが、勉強をちゃんと続けていれば官だろうが民だろうが、選択する余地はみなさんにあります。あまりにも早い段階から、特定の職種に的を絞るのではなく、「あれもこれも」とまずは貪欲になってみるべきだと思います。総合職志望者の試験勉強スタートはますます後ろ倒しになってきています。この年末年始からでも勉強方法さえしっかりしていれば十分間に合うと私は思っています。時期的に、なかなか試験勉強がはかどらないという学生も多いかと思いますが、択一試験まで、まだ4か月、そして官庁訪問まで半年余りあります。勉強方法さえ間違えなければ、まだ間に合いますよ。おそらく今年最後となるだろうブログがちょっと、煽り気味の内容だったので、最後にうちの娘の気合の入った顔をお見せしましょう。
それでは良いお年を。