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超売り手市場と公務員試験対策の狭間で


 みなさん、こんにちは。前回ブログでも書きましたが、今月は学園祭シーズンだけでなく、4クール制を導入している大学だと定期試験の時期になります。公務員志望者だと、これらに加え、来週前半は教養区分2次試験が東京・大阪一斉に行われますので、人によっては、かなり多忙な毎日を送っていることかと思います(私はさらに経験者(係長級事務)組も抱えており、こちらは来週末が最終合格発表日で再来週からは官庁訪問ですから、「働き方改革」の潮流からは完全に背を向けた生き方をしています)。

 もうずいぶん前から、このブログでも幾度となく、教養区分受験者の緊張感の無さに対して、「とても試験前の雰囲気とは思えない」と嘆いてきましたが、やはり2次試験直前ともなるとさすがに状況は一変します。「通常講義前後の時間帯ならば、時間の許す限りいくらでも指導する」と言っていることもあり、先月下旬ころからは私の帰宅が夜中になっています。もっと前から、想像を膨らませながら試験対策をしていれば、こんなことにはならないんですけどね…。まあ、出たとこ勝負で試験に臨むよりははるかにマシということにしておきます。

 一方で、CIMAアカデミーは経済区分向けの予備校です。半数強の受講生は来春に照準をシフトさせていますが(「そんなに落ちてるの?」と思った方、今回の教養区分の1次試験合格率がどのくらいかご存知ですか?)、冒頭に挙げた一連の学内行事の最中、試験勉強のモチベーションを持続させることに苦労しているようです。ほったらかしにすると、学生の気持ちが切れてしまいかねないので、異論があるのは重々承知の上で、私は逐次メールで連絡事項を伝えることで、なるべく構うようにしています。

 それでも、就活が超売り手市場にある現在、公務員試験勉強を行うだけのモチベーションを持続させることは困難になっているかと思います。特に、経済学部生はもともと民間志向が強いところですが、全国の経済系学部で最も官僚を輩出している(であろう)東大経済学部の2016年度卒業生の就職状況をみると、官公庁就職者は10%程度しかいません。法学部の43.6%という数字と比べると、違いが歴然です(「東京大学新聞」調べ)。たしかに、CIMA生をみても、現時点での在籍数は昨年と同等であるものの、工学部生が3分の1を占めており、経済学部生の官僚離れが顕著であるように思われます。

 公務員は試験勉強をしなければならないし(民間だって業界研究など勉強は必要なんですけどね…)、周囲は民間志望ばかり(地方公務員の人気は高いようですが、官僚は本当に人気薄です…)、加えて、民間企業の方が内々定は早く出るので、残りわずかな学生生活を謳歌する仲間が多い中、自分は試験勉強の佳境にある…、こんなご時世に試験勉強を続けることはなかなか大変だと思います。

 でも、安易に職業選択すると、壁にぶち当たった時、必ずと言っていいくらい後ろ向きの考えになってしまいます。CIMAアカデミーは今年から2次対策に限り、経験者試験志望者を受け入れることにしましたが、彼らの話は、時節がら、ややもすると試験勉強のモチベーションが低下しがちな現役受講生にとって、大きな刺激になっているように見えます。経験者からみると、選択肢が多様な現役学生は羨望の対象のようですよ。だからこそ、安易な判断は慎むべきだと思います。

 かつてに比べ、総合職試験の垣根は低くなっており、これまで合格者をあまり輩出してこなかった大学でも、チャンスは広がっています。ただし、周囲の仲間と同じようなやり方では、せっかくのチャンスもつかむことができません。自ら積極的に、他流試合に臨むくらいの心構えが必要かと思います。

それでは、また。


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