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知のアウトプットの大切さ


 みなさん、こんにちは。教養区分試験に出願した人は試験勉強すすんでいますか?私は、病院で薬を処方してもらったかいもあり、まだ、布団から起き上がるのには苦労するものの、普通に歩くことができるくらいには回復しました(コルセットは欠かせませんが…)。

 さて、今日のブログのタイトルですが、「過去問演習の大切さ」という意味ではありません(もちろん、受験勉強において過去問演習が重要であることに変わりはありませんが…)。さまざまな場で吸収した知識を、言葉にしたり実践する習慣の大切さという程度の意味です。「なんだ、その程度のことか!」と思う人も多いでしょうが、自分の将来設計に関して意欲的な大学生を数多く見てきた立場として言わせてもらえば、こうした基本が最も疎かにされていると、理解しています。

 まだ夏休み中で、この期間を利用した様々な行事が目白押しなこともあり、昨日の講義は1人しか参加者がいませんでした。しかも、その受講生は前回の講義を欠席していたので、必然的に前回の範囲でわからない箇所の質疑応答から始まり、その後当該範囲の個別指導になりました。毎年のことですが、選抜試験とかは一切実施していないにもかかわらず、CIMA生は基本的にいわゆる難関大学(今年は現在のところ東大、一橋、早稲田、慶応の学生が通っています)の学生ばかりで、ミクロおよびマクロ経済学については大学2年生までに、択一試験ならば十分対応できるくらいの内容を大学で履修しています。

 それゆえ、うちのテキストをみても7割くらいは既知の内容(昨日の講義範囲だと、初見なのはMM定理くらいだと思います)なので、「意味不明なところある?」ってきいても、大抵「ありません」と答えが返ってきます。それならば、ということで本試験問題をやらせてみると、計算問題はともかく(昔からですが、パターン化された問題については、計算が複雑であろうが関係なく、本当に彼らは難なくクリアしていきます)、文章問題になると全くできません。

 もちろん、当該学生が特別できないというわけではありません。年輩の方は意外に思うかもしれませんが、私が予備校講師を始めたばかりの頃と比べて、今の学生の方が経済理論の理解度ははるかに高いです。理由はおそらく次の2つが大きいかと思います。第一に、大学講義への出席率の高さ。出席が義務付けられているなど様々な要因があるにせよ、本当に講義への出席率は高いです。真面目に講義を受講しているかどうかはともかくとして、ずーっと出席していれば多少は記憶に残るものです。第二に、講義内容の平準化。これはシラバスの遵守が徹底されていることもあるのですが(どの大学の講義アンケートにも、「シラバス通りに講義を実施しているか?」が必ず載っているかと思います)、経済学部の場合、1,2年生のうちにミクロ・マクロ経済学を必ず履修し、さらに講義内容も平準化されてきたことが大きいと思います。

 このブログの読者は信じてくれないかもしれませんが、私が予備校講師はじめたばかりの頃までは、国立大学を中心に、ミクロ・マクロ経済学を履修することなく卒業する経済学部生なんか普通に存在していましたし、履修していたとしても内容は完全に教員の裁量なので、大学の経済学と公務員試験の経済学は全く別物と、こちらが蔑まれることも普通にありました。しかも、年代的に彼らが現在の社会の中核を形成しており、その分声も大きいので、ちゃんと理論教育を受けてきた後世代は、どうしてもおとなしくならざるを得ません。

 私には、こうした「強制されたおとなしさ」が知識のアウトプットの機会喪失につながっているように思われます。公務員試験をはじめとする資格試験の過去問題集を持っている人ならば、問題演習を通じて、吸収した知識の確認と定着を図ることができますが、そうでない人たちは、知のアウトプットはどのような形で行っているのでしょうか。もちろん、ミクロレベルでは様々な形で実践している人もいることでしょう。

 しかし、おとなしくしていることを良しとする社会においては、せっかく得た知をアウトプットする機会はないでしょうし、試みたところでつま弾きに遭うだけでしょう。それゆえ、せっかく学んだ知を他者に対して自分の言葉で上手く説明することもできないだけでなく、ちょっと異なる表現で問われると、それが何を意味しているのか理解できず、答えることができない…。

 それでも、みなさんが知のアウトプットを試みる機会はあります。その一つが、これから本格的に開催される各省庁主催の説明会です。説明会って、すでに参加したことがある方ならお分かりかと思いますが、単にお役所の仕事だけを話す場ではありません。講演者が現在あるいは過去において取り組んできた政策について語る場でもあります。

 もちろん、話す内容のほとんどは皆さんにとって未知のことばかりなので、当面は聞き手に徹するほかありませんが、みなさんには教科書や授業から修得した理論という道具があります。説明会で語られる政策を、大学等で学んだ知に落とし込んだときに、見えてくるであろう理論と現実の乖離を確認する作業を地道に行っていけば、それこそが経済理論のアウトプットになりますし、試験勉強のモチベーション向上にもつながります。そのうち、説明会の場で、質問もできるようになると思いますよ。

 例年、秋以降、CIMAアカデミーでも省庁別説明会を開催しています。少人数制なので勉強する良い機会でありますし、試験勉強の刺激にもなりますよ。詳細については、来月以降、随時HPに掲載しますので、もうしばらくお待ちください。明日は最後の教養区分向け小テストがあるので、これから問題&解説の最終チェックをします。それでは、また。


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