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記述試験お疲れ様。落ち込んでいる人、絶望するのはもっと後にしましょう!

  • 執筆者の写真: cimaacademyweb
    cimaacademyweb
  • 2017年6月1日
  • 読了時間: 5分

 みなさん、こんにちは。2次記述試験お疲れ様でした。本当はもうちょっと早くブログを更新したかったのですが、疲労が蓄積しPCに向かう気力がありませんでした…。私も試験当日、受講生に直前チェックシートを渡すため、駒澤大学に向かいました。まさか院卒区分が東大駒場キャンパスになるとは思いもよらず、「院卒組には何もないんですか?択一の時みたいにデータを送ってもらうことはできませんか?」と言われ、明け方近くまで、ゼミで扱った論点以外をまとめたシートを作成してました。

 結果は…無意味でしたね…。ただ、ゼミの予想問題や講義内容から半分ほど(ソロー・スワンモデル、政府の失敗(さすがに公共選択理論は想定外でした…)、2期間モデルを用いた政府行動と家計消費、プライマリーバランス)出題されたので、それで良しとしてもらえたらと思います。ゼミを受講していない人も、2次専門記述過去問講座をちゃんとこなしてくれたのならば、わかったと思いますが、今回の問題は過去10年程の間に出題された論点がほとんどだったので、手ごたえは感じられたのではないでしょうか。

 と書くと、皆さんの多くは、絶望感に苛まれるかと思いますが、全体としてみれば、去年より難しいですよ(去年も全体としてはキツかったと思います)。マクロ経済学(ソロー・スワンモデル)の平易さが際立ってますが(経済区分受験生ならば、ほぼ完答してほしいところです)、昨年ならば、この問題だって、難易度は「ちょっと易しい」という程度です。特に、今回はミクロの公共財で出鼻を挫かれ(準線型効用関数は、経済学部生やうちのようにやたら不確実性や金融理論に特化したところならばともかく、予備校で初めて経済学を学んだという人は「何、これ?」の世界だったと思います)、当初想定していたペースを完全に狂わされ、どの科目もよくわからない内容を書き散らかした…という人が多かったのではないでしょうか。

 そんな訳で、ミクロについて少し解説します。ストーリーがしっかり見えてきた後に再度解いてみると、すごい良問だと感じてもらえますよ(個人的には、2013年に齋藤誠先生が作られた交易利得の問題に匹敵すると思います)。ただ最近腰痛がひどくラッコのような姿勢でノートPCに向かわざるを得ない体調で、問題文を入力する気力もないので、受験者の皆さんは各自問題冊子片手に読んでくださいね。

 この問題、みなさんはリンダール均衡の問題と思っているようですが、最初のほうは公共財の自発的供給です。なので、本問のカギを握る小問②においてサミュエルソン条件なんか使って計算したら、何をしてるんだかわかんなくなりますよ。まず①ですが、外部性を示すために、公共財供給量xはzを使って書き換えたうえで、効用関数をt、w、zで表記すれば問題ありません。ただし、「式から外部性について説明せよ!」とあるのだから、xはちゃんと「z1+z2」にしてくださいね。

 問題は②です。ここが最大の関門だとおもいます。先ほども述べたように、設問全体にわたって登場するリンダール均衡という言葉に引きずられて、サミュエルソン条件で計算をしたら、いつまでたっても答えはでません。「他の消費者の投入量を所与…」という文言から自発的供給ということに気づいた人ならば、両消費者の反応関数を導出し連立するクールノー・モデルの問題であると分かったかと思います。縦軸、横軸に各消費者の私的財投入量zをとった図を描いてみれば明らかですが、z1=81、z2=0になり、消費者2がフリーライダーとなっている様子がわかりますよね。ここができれば、③以降は設問の流れに乗っていくだけでよいです(詳しい解説は、尋ねてくれれば、受講生にはお答えします)。

 と、かなり簡潔に書きましたが、先ほども述べたように、マクロ経済学を除くと今年の問題は全体的に難しいのもさることながら、それ以上に分量が多いので、4時間で全部答えるのはまず不可能でしょう。さらに、あの択一問題なのに、一次の合格最低点がで半分未満という状況ですから、ただ埋めただけという答案が圧倒的に多いのではないでしょうか。。。そんなわけで、2次試験は相対評価で、加えて合格者数が前年よりちょっと少なめの200名程度と仮定すれば、白紙じゃない限り、全員にチャンスがあるかもしれません(個人的には、この辺りで一度合格者数を絞り、一定の学力水準を有する人間の中で官庁訪問を実施すべきだと思います)。

 そんなことより、2次試験翌日に、経済系の最難関資格を保持する受講生に、「いろんな模試受けたけれど(うちは規模が小さいので模試やってません)、何の役にも立たなかった。この講義で十分だった。資格試験勉強の時は、模試はちゃんと傾向にあっていたのに…」と言われたことが、ずっと引っかかっています(話を聞くと、全員必修のマクロ経済学なのに「バーゼル規制」出したりとか、確かに出題内容がめちゃくちゃです)。うちは幸い信用を得たと思っていますが、情報の非対称性を隠れ蓑に、こんなことが続くと、業界全体の信用にかかわり、ますます「予備校なんか行くだけ無駄!」の風潮が強まるのは必定でしょう。

と、長々と批評しましたが、既に書いたように、本試験は相対評価ですから、自分ができなかった問題はきっと周りの人も難しく感じているかもしれません。なので、「出来が悪かったから、もうあきらめる!」なんて事考える暇があったら、人物試験あるいは政策課題討議試験対策さらには官庁訪問対策にしっかり取り組んだ方がいいですよ!CIMAアカデミーも、今年いくつかの講座を単科販売したことから、単科講座購入者限定ですが、これまでコース生のみにしか実施してこなかった官庁訪問対策講座を販売することにしました(長期間に及ぶ人物指導を要することから、大変恐縮ですが対象は、何らかの形でCIMAアカデミーと接点のある方のみとさせていただいています)。筆記試験が不本意な出来であったとしても、合格さえしてしまえば自分の頑張り次第で何とかなるのが近年の総合職官庁訪問です。もう少し頑張りましょう!

 それでは、また。


 
 
 

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