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今年の試験問題を見て感じたこと


 みなさん、こんにちは。前回ブログにも書いたように、うちは今回50点以上の人間ばかりで、例年ならば必ず出てくるであろう1次合格最低点付近の学生が見当たらないことから、学生を2次試験に集中させるため、昨日より2次直前記述対策をスタートさせました。択一試験後、弊社HPへのアクセスが急増し、現在もなお高い水準を保っていますが、HPのどこを見ても今年の本試験の合格最低点の予想は出ていませんので、当落線上と思っている方は、これ以上不利な状況に追い込まれないよう、「勉強を続けるなら続ける」、「進路変更するなら変更する」という決断をしたほうがいいですよ!

 昨日、私はようやく試験問題を入手しました。以前より、学生からは「難しかった」「易しかった」それぞれ話を聞かされてきましたが、私の感想はというと、理論系科目については「易しい」の一言に尽きます(誰が何と言おうと、私は去年の問題の方がマイナーな論点を出してくる分きつかったと感じます)。一方で、暗記系科目は選択科目である「経済史・経済事情」が明らかに難しかったですね。必須部分の経済事情はいつもと同程度だったので、落差に驚きました。あと、経営学も1問目に聞きなれない学者名がたくさん出てきて面食らったかと思います。総じて、ほとんどの学生が専門30点前後で、一番できなかった学生でも25点だったのもうなずけます。

 ただし、昨年同様、理論系科目の見せ方が過去と大きく異なっているので、独学で市販の公務員試験問題集で勉強していた人、あるいは一般職や地方公務員試験併願の人は相当面食らったのではないでしょうか?ゆえに、二極分化が昨年以上に顕著であるものと予想されます。点数については、ちゃんとデータをとっていない以上何も申し上げられませんが、来年以降総合職を真剣に考えている人には、「市販の公務員試験問題集じゃ理論系科目は対応できない」ということだけは言っておきます。近年は、優秀な研究者が著した教科書に完全準拠した問題集が数多く刊行されています。そちらの方が、いまの総合職試験の傾向にあっていると、大学で教鞭をとる者として強調しておきます(他の公務員試験については、各予備校の問題集でも大丈夫だと思いますが…)。

 さて、高得点者が多かった専門科目ですが、複数の受講生より、解説を頼まれた問題があったので、費用逓減産業(もどき!)の問題の解説をします(これ、いろいろ指摘すべき点があります)。

 これ、何も考えずに、問われた通りに解いた人は簡単に感じたと思います。ところが、うちの高得点者たちは何名もこの問題を間違えています。しかも、間違えた学生は皆、肢4を選んでいました。そうです!学生たちは、費用逓減産業の問題と捉え、前半部分は限界費用価格規制に基づく赤字額を求めるものと認識していたのです。これについては、学生たちの早とちりの面も否めません。この期に費用逓減産業の定義を教科書(ちゃんと、大学の先生が執筆した教科書で確認するんですよ!)で調べてくれれば納得してもらえるかと思いますが、本問は単なる独占企業に対する価格規制と捉えるべきです。

 ところが、この問題を独占企業に対する価格規制として捉えた場合、今度はBの部分の出題意図が意味不明になります。というのも、限界費用価格規制では赤字になってしまう独占企業のために、政府は高めの価格規制をするのが、後半の設問ですが、これだと独占企業が利潤最大化行動を行った場合に比べて、企業の利潤だけでなく、取引量さらには総余剰も減少してしまい、規制によってかえって経済が悪化してしまいます(ちなみに、独占企業が利潤最大化行動をとった場合、財価格は90、供給量は30となります。ご自身で確認してみてください)。

 そんなわけで、本問を費用逓減産業の問題と捉えると、前半部分に齟齬が生じ、一方で単なる独占企業への価格規制と捉えると、今度は後半部分にどんな意味があるのか、なんだか出題意図が不明瞭になってしまっています。いずれにせよ、真面目に経済理論を学んだ学生ほど混乱してしまう問題って、試験としてどうなのかな?というのが、長年予備校講師をやってきた人間としての率直な感想です。ただ、この責任の一端は我々にもあると思います。実は、この問題の類題が2014年本試験にも出題されています(固定費用が存在しない費用逓減産業もどきの問題ですので、過去問集を持っている方は是非ご確認ください)。当時、ちゃんと声を挙げていれば、今回のような出題意図が不明瞭な問題は防げたのかもしれません。そう考えると、外部監査って絶対必要ですね!

 一応、本問の解説を掲載しておきますので、ご確認ください。でも、過ぎたことはいつまでもクヨクヨせず、前を向きましょう。今この瞬間にも、記述答案を書きまくっている学生は山のようにいるのですから…。

 それでは、また。


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