みなさん、こんにちは。定期テスト直前で、受験勉強は一旦休みという人も多いのではないでしょうか。大学の講義もいつもに比べ出席率が高いのですが、明らかに風邪をひいている学生も多いので健康管理に留意しましょう。
昨日のCIMAアカデミーは、夕方に某省のセミナーが霞が関で開催され、ほとんどの受講生がそちらに参加したため、最初の1時間ほど、1人しか受講生がいませんでした。「試験勉強に役立つから」と、昨日のセミナーに参加するよう、以前より学生に言っていたので、教室ががらーんとしてて当然です。
経済区分の場合、現在の経済財政政策に関する試験科目として、財政学や経済事情が設けられています(しかも出題数が9問あり、専門科目の中で経済理論の次に比重が高くなっています)。まあ、俗にいう暗記科目という奴ですが、アルバイト程度しか仕事の経験がない学生にとって、これがかなりの難関であったりします(もちろん、数学が苦手な人が、計量経済学の問題を目にしたときの絶望感に比べるとマシですが…)。
例えば、税制改正について消費税引き上げをめぐる議論くらいならば、どの学生もその狙いや効果について自分の身に惹きつけて語れるでしょうけれど、配偶者控除や、いつの間にか話が立ち消えになった夫婦控除(私は近年のどんな改正よりも大きな期待を寄せていました…)あたりになってくると、自分に惹きつけて考えられないせいか(まあ、当然といえば当然ですね…)こちらの話をただ黙って聞くという、借りてきた猫状態になります。
そんなとき、実際にある年の税制改正を担当した人から、苦労話を交えつつその狙いや結果などの話が直接聞けたらどうでしょう。参考書から得られる知識なんかより、はるかに有意義ではないでしょうか。ほかにも、産業政策、社会保障政策、地方財政、教育、経済統計…財政学・経済事情で扱われる範囲はものすごく広範囲です。各省庁の説明会が実は筆記試験対策として有効であるとわかれば、皆さんの意識も変わるのではないでしょうか。
こう書くと、「仕事を理解するための場を受験勉強対策として勧めるとは何事だ!」というお叱りが来そうですが(というより、過去に何度も私は電話で文句を言われていますが、実際に働いている人からのクレームは全くありません)、説明会参加のきっかけなんて、何だっていいんじゃないのですか?
CIMAアカデミーおよび前職通じて、これまで多くの学生を官僚として送り出してきましたが、私のところに来た当初と実際の勤務先が同じところという人間の方がはるかに少ないです。最近2年間だけを取り出してみても、最初と最後が一致してるのなんて、たった一人です。念のため、申込時の書類を引っ張り出してみたところ、ここまで進路が変わるのか…と私が驚きました。
言い換えれば、たとえ動機が不純(?)であっても、ある話が自分の琴線に触れたことにより、もっとその職場のことを知りたいと思うようになり、結果、そこが自分の職場となる…このほうが、はるかに健全な就活のように思われるのですが…。きっと、説明会を開催する側も、「今回はどんな新しい出会いがあるのだろう」と思いながら準備をしているのではないでしょうか。
そんなわけで、自分ではなかなか足が運ばないようなところに対して、私は財政学・経済事情対策の一環として参加してみるようアドバイスしています。で、ちょっとでもモチベーションが向上すれば、さらに説明会へ足を運ぶ一方、渡してある問題集をひたすらこなしていけば、一石二鳥でしょう。しかも、財政学・経済事情って、ミクロ、マクロ経済学と異なり、やればやっただけ結果が目に見えて現れますからね。是非参考にしてください。
それでは、また。