みなさん、大変ご無沙汰しております。なんと!これが2022年最初のブログです。長いことブログ更新をサボってしまいごめんなさい。以下の2つの理由により、長いことご無沙汰していました。
一つは、昨年の教養区分最終合格発表の頃のブログにも書きましたが、うちの受講生が全員教養区分で官庁訪問の権利を得てしまったため、経済区分に向けた指導を行うにも必要とする学生がいなくなってしまったからです。「ならば、直前期向け講座とかで学生を勧誘しろよ!」と言われそうですが、それを私に許さなかったのが、ロシアのウクライナ侵攻でした(これが二つ目の理由)。
霞が関の人には、私は経済学を教える人間として認知されていると思いますが(大学でも、私はミクロ・マクロ経済学の教員として在籍しています)、実は、もともと私は、中東欧諸国の移行経済を専攻としており、学位もこの分野で取得しました。今もそうですが、私の学生時代にチェコ語やポーランド語等を大学入学後すぐに学ぶ機会なんかはなくて、私の場合、第2外国語がロシア語だったことが、この分野を専攻するきっかけでした。
日頃、受講生には「自分の売りが何なのか、事前にしっかり認識しておくことが官庁訪問で求められているんだぞ!」と言っておきながら、自分を誇らしく見せることが好きではないのですが、大学院修士課程2年生~博士課程2年生にかけて、市民講座のロシア語講師として委嘱されていたくらいなので、それなりの語学力はあったと思います。
しかし、大学入学以来、チェコ好きの人や専門家、チェコ人の芸術家や大学教員が多く集まる喫茶店(東京でも大使館近辺を除けば、これほどチェコ関係者が多く集う場所はないと思います)にアルバイトしていたことから、そこで出会った大学の先生にチェコ語を教わり、博士課程2年生の時にプラハに留学しました。
そんな背景から、ロシア語を長年勉強していたとはいえ、私のロシア観はチェコからみたロシアと言っても過言ではありません。時代は異なりますが、それこそ、かつて戦車でプラハを蹂躙した国そのものです(チェコは無抵抗だったという人がいるようですが、それはとんでもない誤解です!)。ゆえに、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻も衝撃は受けましたが、ありえないことではなかったし、ブチャやマリウポリの目を背けたくなる凄惨な映像を視ても、既視感があることから受け止めることはできました。
それよりも衝撃的だったのは、私がロシア語やチェコ語を勉強した頃に第一線で活躍していた専門家(皆、○○大学名誉教授という肩書でした…)が押しなべて冷戦時代の思考のまま、ロシアによるウクライナ侵攻を語ろうとする姿でした(幸い、そうした人たちは開戦後まもなくTVから消え、今では、軍事、国際政治を専門とする方々が現状をしっかり分析し、日々我々に伝えてくれています)。
なかには、そうした昔の思考のまま、連名でもってロシア・ウクライナ両国に即時停戦を呼び掛けたり、果ては、ウクライナを緩衝地帯にすべきという人さえいます。ウクライナが武器を置いたら全土が蹂躙される。一方でロシアが武器を置けば戦争は終わる。現状で停戦なんてやったら、暴力は強大であれば国際社会での存在が許される前例となってしまうし、第3国が上から目線で主権国家に対して、緩衝地帯になれなんて、よく言えるなあと思います。
かつて、どんなに優秀であった人も、新しい世代の成果に常に耳を傾けないと、とんでもない時代錯誤に陥ってしまうことが、この2か月間における私の最大の驚きでした(PCのOSのアップデートの重要さを思い知りました…)。結果、学生時代に教科書や専門書をとおして学んできた専門家の姿に衝撃を受けた私は、しばらくの間、無為無策の日々が過ぎていきました。
実は、明日みなさんが受験する総合職試験も昔の常識(?私は風評だと認識しています)が罷り通っていて、未来ある受験生を不安に陥れています。私はブログだけでなく、HP上にも、「1次試験は半分いらないよ!(経済区分の場合)」と言い続けてきました。それは、申込者数と受験者数にかなりの乖離があることを知っていたからです。
予備校は何故かしら受験者数のデータが入手できていましたが、受験生は昨年までは予備校にでも通っていない限り入手できませんでした。私は以前より、ブログで「地方公務員試験が受験者数を公表しているのに国家公務員試験が公表していないのはおかしい」と言い続けていたのですが、今年になってようやく人事院は2021年の国家公務員試験の実施状況について詳細を公開してくれました。ご覧になった方は、私が「経済区分は半分いらない」と言っていた理由に納得してくれたと思います(受験率が低すぎるんです。特に2次試験…。白紙答案じゃなければ、人物によほどの問題がない限り不合格にならないというのを理解してもらえたと思います。こんなの放置し続けていたら税金の無駄遣いだと叩かれるのに…)。
でも、私がこのようなことを言っているのは「勉強しなくていい」という意味ではありません。昨日、大学の講義でも言ったのですが、この時期になったらケアレスミスをなくせということです。模試とかの結果をみて、同じような間違いやってませんか?例えば、「ワルラスの意味で安定の組み合わせ」なのに不安定の組み合わせを選んだり、不等号を逆にしたり…。そういう自分を許せなくなるミスを潰すことに注力すべきです。おっちょこちょいの人は問題文の大事な箇所に印をつけるなどして予防線を張るのもよいでしょう。基礎学力に問題のある人を除いて、いま述べたような最終チェックだけで、今の総合職試験ならば問題ありません。
なので、今日は早めに寝て、体調を万全にしておきましょう。私は、首都圏、関西、九州と受講生が散らばっているのに、いままで全員の顔見世を一度もやってこなかったので、明日夜はじめてオンライン上での受講生交流会やります。
それではまた。
Comments