みなさん、こんにちは。またまたご無沙汰してしまいました。月日の経つのは早いもので、先日官庁訪問が終わったと思ったら、今日から教養区分1次試験です。数か月前に実施された春試験と打って変わり、過去最高の申込者を記録したことから、官僚第一志望の学生さんは緊張のあまり、前夜は寝られなかったのかもしれません。しかし、長年予備校講師をやっている私には、「申込者数過去最高=官僚人気回復」とは全く思えません。
私は予備校講師の傍ら、非常勤ではありますが都内マンモス私大の経済学部教員でもあり、特に公務員志望者に向けた講義を担当しています。実は、本日の試験にも数名の学生が受験の予定です。もちろん(といってよいのか…)、全員本命は別の公務員であり、教養区分は云わば、無料模試代わりです。緊張している方は、周りを見渡してみてください。無料模試のノリで会場に来ている人が多くいますから。もしかしたら、受験が面倒になって、欠席しているかもしれません(教養区分の欠席率は途中で消えちゃう人も含め、呆れるくらいに高いです…)。なので、気負わず試験に臨んでください。悲壮感を払しょくできれば良い結果が残せると思います。
なお、試験に関して言っておきますと、全国のほとんどの受験生は数的処理や知識系科目など択一試験対策に勤しんでいると思いますが、最終合格のためには明日の試験の最初に実施される総合論文のほうがはるかに重要です。試験時間が4時間あって(論文2問解答します)、しかも午前中から昼ごはん抜きでぶっ続けなのですから集中力を保つ必要があります(昼ごはんはその後になります…)。とはいえ、1次試験の合否は択一試験だけで決定されるので、どれだけ忠告しても耳を傾けてくれる人は少数だと思います。私だって、この期に及んで論文の書き方について細かなことを言うつもりはありません。ただ、すきっ腹で4時間耐えつつ論文を書くイメージトレーニングくらいはしておくべきですよ。
夏の官庁訪問終わってから今まで、他の業務が立て込んでいたこともあり、教養区分対策として、私は論文の添削しかしてきませんでした。計100通弱の答案添削の範囲でいえば、コミュニケーションの欠如に起因するかのような論文がコロナ禍以降急増しています。具体的には、①設問を受けて論文を書きだすのではなく、これから使用するであろう用語の定義を最初に延々と書きはじめる、②「~だ。」というように、やたら断定調で記述する(その自信はどこからやって来るのか不思議です)、③資料間の関連性など一切考えず、ただ3つの資料の要約のみ書いて終わり…少なくとも、設問者あるいは採点者との対話を意識した論文は添削指導前においては全くありませんでした。
別にいろんな予備校さんにある解答例を書く必要は全くありません(むしろ、マネしない方がいいです。私も自分の考えとの相違なんか論文の評価には一切含めていません)。設問をテーマに、活字を媒介に採点者との対話をするつもりで試験に臨んでください。一次試験を通過すると、皆さんは2次試験で企画提案試験という、現職官僚に向けたプレゼンテーションシート作成&プレゼンが待ち受けています。総合論文の出来が良いか悪いかは、実は企画提案試験のプレゼンテーションシートを見ればわかってしまいます。ゆえに、午前中は、姿の見えない相手に活字のみでの対話を行うという意識で総合論文に臨んでみてください。意識するだけで、論文って出来がかなり異なりますよ!
そして、自己採点して一次試験通過の目途が立ったら、即座に2次対策を始めたほうがいいですよ。基礎能力ⅠⅡで配点比重が異なるので絶対とはいえませんが、数年前と異なり、現在では合計で31~32点で十分に1次試験通過できます。ちなみに、1次で40点以上取る人が周りにいても気にする必要ありません。春試験と異なり、教養区分は択一で逃げ切ることは極めて困難ですので…。配点は圧倒的に2次重視なので、もしあなたが人当たりがよく、コミュニケーション能力に長けているのでしたら余裕で逆転できますし、採用には無関係ですがかなりの高順位になります。
教養区分2次試験は、政策課題討議試験、企画提案試験、人物試験から構成されますが、いずれも一人で対策を立てることは困難です。多少費用は掛かりますが、CIMAアカデミーでは教養区分2次試験対策講座を実施しますので、月曜に自己採点した結果、1次試験通過のめどが立った人は是非ご検討ください。
2,3年生(または公務員試験自体がはじめての人)にとっては、試験勉強をはじめて間もないこともあり、一次試験通過自体がかなり大きなハードルだと感じるかもしれません。しかし、たとえギリギリであろうとも通過してしまえば、択一の点数なんか、時間にしてわずか20分足らずの人物試験(人事院面接)よりも配点比重が低いのですから、先ほども述べたように、再チャレンジ組を逆転することは、専門試験を重視する春試験に比べてはるかに容易です。また、「本番は来春だ!」と思えば、さほど緊張することなく試験に臨むことができるでしょう。いずれにせよ、来春本番組の人は、結果はどうであれ落ち込む必要は全くありませんよ!
それでは、健闘を祈ります。
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